国家資格が必要な技術系職種(個人タクシー/美容師など)

個人タクシー、美容師、指圧師…独立開業の道がある「国家資格」技術職の特徴

「とにかく独立開業したい」という人は、独立開業している人が多い職を目指す方法があります。
個人タクシー、美容師、あん摩マッサージ指圧師といった仕事はいかがでしょうか。

これらの職は「独立開業の市場」ができあがっているので、顧客が多く存在します。一定水準以上の「商売のスキル」を身につければ、ビジネスを軌道に乗せやすい特徴があります。

さらに国家資格や国の営業許可が必要なため、「誰でもできる商売」ではありません。つまり「資格で守られている職」といえます。

個人タクシーまたは美容師またはあん摩マッサージ指圧師で独立開業する「魅力」と「苦労」についてみていきましょう。

個人タクシーで独立開業する魅力と苦労

タクシー運転手という仕事については、「絶対に嫌だ」という人と「これが天職だ」という人に、両極端に分かれるようです。
深夜業務や酔っ払い客の対応が苦手な人は拒絶しますが、走り出したら自分の裁量で仕事ができることに魅力を感じると「タクシー以外にありえない」と思えるようになります。
まして個人タクシーなら、仕事の自由度はさらに増します。

個人タクシーはこういう働き方ができる

個人タクシーは稼ごうと思えばいくらでも稼げる職です。
個人タクシーは一応「1回走行距離270km以下」「月2日以上休む」という規制はありますが、ここまで働いたら過労で倒れてしまうでしょう。そのため、思いっきり走っても大抵はこの上限内におさまるはずです。

個人タクシーで独立開業できたら、富裕層の獲得を目指してみませんか。ゴルフ場や別荘までの送迎は、短時間で集中して稼ぐことができます。しかも顧客は紳士淑女なので嫌な思いをする心配がありません。
そのためには、運転技術に加えて接客術を磨く必要があります。

年収900万円も夢ではない

個人タクシーで効率よく稼げるようになると、年収900万円も夢ではありません。
1日の営業収入が5万円で1カ月15日勤務すれば、年収900万円になります。もちろんここから車両などの経費を差し引くことになりますが、それでも豊かな暮らしができるでしょう。

ただ、1カ月15日勤務でも、かなり過酷です。
個人タクシーは長い人だと1回の走行で20時間ぐらい走るので、1カ月15日勤務でも月の労働時間は300時間になります。
一般的な会社員は1日8時間労働×月21日勤務=168時間労働/月なので、個人タクシーの労働時間の長さがわかると思います。

個人タクシーで独立開業する方法

魅力いっぱいの個人タクシーですが、この仕事に就くことは簡単ではありません。最低条件だけでもこれだけあります。
・65歳未満・第二種運転免許・法人タクシー歴10年以上・10年間無事故無違反・設備資金70万円・運転資金70万円・車庫を持つ資金があること

そのほか、さらに細かい条件をクリアして、そのうえで、法令試験と地理試験に合格しなければなりません。
まだあります。そのうえ、地方運輸局から営業許可をもらわなければならないのですが、この営業許可も簡単にはもらえません。
そのため個人タクシーで独立開業を目指す人は、タクシー会社に入社して法人タクシー運転手をしながら、機会をうかがうことになります。

個人タクシーはこういうところで苦労するかも

新規の個人タクシーが常連客を獲得には相当苦労するでしょう。富裕層や優良顧客は、すでにベテラン個人タクシーたちががっちり握っています。そういった強力なライバルたちを押しのけるには、まずは営業エリア内のすべての道路を暗記するくらいの勉強が必要になります。

美容師で独立開業する魅力と苦労

美容師は「独立開業」と「雇われ」では天国と地獄ほどの差があります。
雇われ美容師の場合、長時間労働、単純作業、過酷な縦社会、そして低賃金を我慢しなければなりません。
しかし自分でサロンを開けば、自分が提供したい「美」を思う存分追求できます。そして収入もアップします。

美容師が独立開業するとこういう働き方ができる

雇われ美容師の最大のストレスは、自分が理想とするヘアスタイルを提供できないことではないでしょうか。勤務先のサロンにはオーナー独自のブランディング戦略があり、それに合致したヘアスタイルを提供するよう強要されます。

しかし独立開業すれば、好きなヘアスタイルをお客さんに提供できます。独立した瞬間に「私(または俺)はこれがしたかったんだ」と思えるでしょう。

また自分のサロンでは、好きな材料を使うことができます。美容師は、カラー剤やパーマ液に強いこだわりがあると思います。社員美容師時代は店の材料しか使えませんでしたが、独立開業すれば好きな材料を試すことができます。

自分のサロンなら、内装を自由に変えることができます。「ポップにしたい」「ウッディにまとめたい」「シニアが落ち着ける店にしたい」なんでもできます。

美容師にとって独立開業は自己実現そのものといえるでしょう。

美容師で独立開業する方法

美容師になるには、高校を卒業し、2年制の専門学校か、3年制の通信制専門学校を出て、美容師国家試験に合格し、国家資格の美容師免許を取得する必要があります。
その後、サロンや美容室などに就職し修業します。

では、美容師で独立開業するには、サロンなどでどれくらいの期間、修業する必要があるでしょうか。
ひとつの目安は10年といわれています。サロンでアシスタントから始め、カットを任されるようになり、お客さんから指名されるようになり、チーフに昇格するころには、やはりそれくらいの月日がかかるでしょう。

しかし「修業は3年で十分」という、サロンオーナーもいます。この方は、「若いうちから独立開業すれば自分で試行錯誤する癖がつき、それがオリジナリティあふれる店づくりにつながる、結局そのような店のほうが繁盛する」と考えています。
確かに、ヘアカットやヘアスタイルは才能勝負の部分があるので、自信が持てたときに独立開業するのはありかもしれません。

美容師はこういうところで苦労するかも

サロンは過当競争にさらされています。独立開業したものの顧客がつかず、廃業して社員美容師に戻るパターンも少なくありません。
しかし考えようによっては、美容業界は、独立開業に失敗しても帰る場所がある業界ともいえます。だから独立開業という冒険ができます。

また、サロンを開業するには最低でも数百万円以上の資金が必要で、そのようなお金は銀行などから借りなければなりません。またスタッフを雇う必要もあります。
こうした「店を経営する」スキルは、美容スキルとはまったく別物なので、サロンに勤めているうちにオーナーの仕事ぶりをよく観察し、経営ノウハウを身につけておきましょう。

あん摩マッサージ指圧師で独立開業する魅力と苦労

文字通り「腕一本で勝負する」のがあん摩マッサージ指圧師(以下、指圧師)です。医療分野以外で人々の元気に貢献できる数少ない仕事です。しかも、よい仕事をすればほぼ100%の確率でお客さんから「ありがとう」と言われます。こんな仕事はあまりありません。

あん摩マッサージ指圧師が独立開業するとこういう働き方ができる

独立開業した指圧師は、自分の治療院(正確にはマッサージ施術所)を開設してお客さんを迎え入れることもできますし、介護施設や高齢者宅に訪問してマッサージサービスを提供することができます。
働くスタイルを選べるのも、指圧師の仕事の魅力です。

また指圧師は原則、1人でビジネスを展開できます。人に雇われることなく、人を雇うことなく、自分のペースで自分の売上目標に向かって業務スケジュールを組むことができます。

さらに、お客さんから「体が軽くなった」「肩こりがなくなった」「運動できるようになった」というリアクションをすぐに受けることができます。
これだけダイレクトに感謝される職はそう多くなく、指圧師はある意味で、究極のサービス業といえるでしょう。

あん摩マッサージ指圧師で独立開業する方法

国家資格のあん摩マッサージ指圧師免許を取得するには、大学入学資格(高卒など)を獲得した後、3年制の専門学校を卒業し、試験に合格する必要があります。

指圧師の修業期間はそれほど長く取らなくてもいいでしょう。1年ほどで独立する人もいます。
3年ぐらい修業をして、お客さんの指名を得られるようになったり、開業資金の融資が取れそうになったら、独立開業の準備に取り掛かりましょう。
開業資金は、最低200万円で、300万~400万円あれば十分でしょう。おすすめは、最初は最低限の施設・設備で始め、軌道に乗ったら好立地のテナントを借りるという段取りです。

訪問で指圧をする場合も治療院を開設する必要があり、都道府県から営業許可をもらわなければなりません。
公益社団日本あん摩マッサージ指圧師会は、認定訪問マッサージ師という民間資格制度を設けています。こうした資格を持っていると、介護施設や老人ホームから指名を取ることができるかもしれません。

あん摩マッサージ指圧師はこういうところで苦労するかも

指圧師も美容師同様、ライバルが多い職です。ただ、美容師と違って、指圧師のお客さんはこれからどんどん増えていきます。日本はますます高齢化していくからです。
また指圧師の業務単価はそれほど高くありません。「大儲け」よりもお客さんに喜ばれる仕事がしたい人向きですね。

まとめ~資格で守られているメリット

今回は、個人タクシー、美容師、指圧師を紹介しましたが、国家資格が必要な技術系職には、そのほかにも独立開業できる職があります。
独立開業はやりがいの大きさとリスクの大きさのギャップが大きな働き方です。そのため、「国家資格がないと参入できない」職は、リスクを多少でも減らしてくれるでしょう。

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