カメラマンなどのクリエイター職

写真家、小説家、イラストレーター…クリエイターへの道と独立開業

「クリエイターで独立開業したい」
このような思いを持っている人は多いでしょう。
あなたも、小学生のころに思い描いていた夢をいまだに持ち続け、「チャンスがあればいつでも会社を辞めてその道に行く」と決めている1人ではないでしょうか。

クリエイター職はたくさんありますが、ここでは写真家、小説家、イラストレーターの業務内容と独立開業への道についてみていきます。
どれもその道で一人前になるには「実力」や「才能」だけでは足りず、「運」や「人との巡りあわせ」や「時代の流れに乗ること」が必要になる職種です。

しかし、とりあえず「好きなことで食べていければいい」というレベルまでなら「努力」次第でなんとかなるかもしれません。

ますます競争が激しくなる写真家市場

写真家の仕事はすっかり減りました。コンパクトデジカメの嵐が過ぎ去ったと思ったら、ミラーレス一眼レフカメラの高性能機種が15万円ぐらいで販売されるまでになりました。街にはカメラ女子があふれています。
さらに、携帯電話がガラケーからスマホに進化すると、カメラ機能まで格段に向上してしまいました。現代はいわば、カメラを持っていない人がいない時代ともいえます。
こうした一般人が写真家市場をかき乱している状態です。

大量の「素人写真」が出回るようになった

かつては、常にカメラを持ち歩いているのは、プロの写真家くらいでした。だから彼らは貴重なシャッターチャンスに巡りあうことができ、それに人々が驚き、撮った写真を高値で売ることができました。

しかしカメラの被写体を追随する能力は高まる一方で、素人が偶然に映した1枚が驚異の出来映えになったりします。
またフェイスブックやインスタグラムなどの写真を掲載できるSNSが台頭し、アマチュアの「スマホ写真家」は本当に多くなりました。

1人のプロの写真家より100人のアマチュアスマホ写真家のほうが、シャッターチャンスに出会う確率は高くなります。その証拠に、テレビやネットで話題になる写真のほとんどは、「その場に居た」素人たちが撮影したものです。

つまりプロの写真家を目指す人は、まずは大量の「素人写真」と競わなければならないというわけです。

動画のほうが圧倒的にビジネスにしやすい

プロの写真家を脅かす存在はまだあります。それは動画です。
動画の情報量は静止画の情報量を圧倒します。またエンターテイメント性も動画のほうが高いでしょう。

ビジネスになりやすいのは、写真ではなく、やはり動画です。
1枚の静止画で100万人の閲覧者を集めることはほぼ不可能ですが、動画であれば企画力があれば数カ月のキャリアでも100万アクセス取ることは可能です。
その結果、動画の広告媒体としての魅力が増しました。ユーチューブに動画を投稿して広告収入を稼ぐユーチューバーという職が誕生したのは、広告主が「動画サイトに自社広告を出したい」と考えるようになったからです。
残念ながら、静止画である写真には、一部の超プロフェッショナルを除いて、これだけのビジネスパワーはありません。

売れても食べていくことが難しい小説家

古くは夏目漱石、最近では村上春樹や、お笑い芸人の又吉直樹など、クリエイターの中でも小説家は特別なステータスを保持しています。また小説は文章でできているので、活字を並べるだけで作成することができ「元手」が要りません。最近ではスマホで小説を書いてしまう人もいます。

有名文学賞を受賞してもすぐ忘れ去られてしまう

小説家ほど、「売れても食えない」クリエイター職は珍しいでしょう。
小説家で「売れた」と言われるには文学賞を獲らなければなりません。文学賞のチャンピオンといえば芥川賞、直木賞、そして本屋大賞が挙がると思いますが、例えば2017年の受賞者を覚えている人は何人いるでしょうか。
チャンピオンですらそのような扱いを受けているのです。

では、文学賞の価値が落ちたかというと、そんなことはありません。大手出版社が主催する新人文学賞には、毎年たいてい2,000件近い応募があります。文学書を獲得した小説家は、かなりの才能の持ち主といえます。
それでも小説家の知名度は「その程度」しかないのです。

有名小説家ですら別の仕事を持っている

しかも小説家として有名になっても、小説だけでは社会に大きな影響を及ぼすことはできません。
例えば先ほどご紹介した、最近の芥川賞受賞者として最も知名度がある又吉直樹さんは、お笑い芸人を継続しています。その際ともに受賞したことで話題になった羽田圭介さんもバラエティ番組で路線バスに乗ったりするなど、作家以外の活動をしております。またやはり芥川賞受賞者で、しかも同賞の選考委員を務めている村上龍さんも、テレビ東京の経済番組「カンブリア宮殿」の司会をしています。
こうした一流の小説家でも小説以外の才能が求められる時代なのです。

当たれば大きいイラストレーターだが

「絵描き」の中でも、イラストレーターは独立開業がしやすいジャンルといえます。それはビジネスシーンでイラストが重宝されるからです。
例えばあるメーカーが商品の取り扱い説明書を作成するときに、文章にイラストを1枚加えるだけで顧客の理解度は飛躍的に向上します。
イラストには商品を伝える力があるので、多くの企業が魅力的な絵を描くことができるイラストレーターを探しています。

イラストレーターが活躍できる場面は「商用」だけではありません。自分でつくったキャラクターがヒットすればコンテンツ産業に進出できます。
コンテンツ産業で1本でもヒットを生み出せば、巨額の収入を手に入れることができます。

パソコンとイラスト専用ソフトがあれば始められる

しかも現代のイラストレーターは、パソコンとイラスト専用ソフトを活用すれば、高額な画材道具を購入する必要はありません。もちろんプロ用のイラスト専用ソフトの価格も安くはありませんが、しかしソフトは1回購入すれば5年以上使うことができます。
イラストレーター市場も参入しやすいといえるでしょう。

ライバルの数は10万人?

しかし参入しやすい市場だけに、イラストレーターを目指す人の数は増加の一途です。
例えば、プロとアマチュアのイラストレーターたちが作品を投稿して無料で公開するサイト「pixiv」には、登録者が1,000万人いるそうです。
(参考:https://www.pixiv.net/info.php?id=2250

もちろんその登録者の中には閲覧するだけの人もいます。しかし仮に登録者のなかにイラストレーターが1%しかいなかったとしても10万人です。
このサイトをのぞくと、画力も表現力も企画力もあるイラストレーターがこれほどいるのかと驚くでしょう。それでもまだ世に出ていない人たちなのです。

ネット経由で仕事を獲得できればクリエイター独立開業できる

これまで写真家、小説家、イラストレーターで生計を立てていくことがどれだけ難しいことなのかみてきました。
しかし冒頭に「とりあえず『好きなことで食べていければいい』というレベルに到達したいのであれば、努力次第でなんとかなる」と解説しました。
それは本当です。

その努力は何かというと、ネットへの進出です。

クラウドワークスとランサーズを使ってまずはプロデビューしてしまおう

クリエイターとクライアントを結ぶネットサービスで有名なのが、「クラウドワークス」と「ランサーズ」です。
どちらも気軽にクリエイターが仕事を探すことができます。

クリエイターが両サイトに個人情報を登録すると、様々な仕事依頼を閲覧できるようになります。
自分ができそうな仕事を見つけたら、サイトのメール機能を使って仕事の依頼者(クライアント)にメッセージを送ります。その際クリエイターは、自分のスキルをPRします。
クライアントは複数の応募者の中からクリエイターを選び、仕事を発注します。

ギャランティは、クラウドワークスまたはランサーズがクライアントから預かり、クライアントが「業務完了」を認証した時点で、クリエイターの銀行口座にお金が振り込まれます。
クラウドワークスまたはランサーズはその際、手数料を取ります。

クラウドワークスまたはランサーズを使えば、クリエイターたちは実際にクライアントに会うことなく仕事を獲得でき、仕事を終えればしっかりギャランティをもらえるのです。

ギャラは安いが「ここからスタート」と考えよう

ただ、クラウドワークスまたはランサーズに掲載されている仕事のギャランティは決して高いものではありません。しかしその代わり高いスキルを要求されません。
ですので、写真家や小説家やイラストレーターの「たまご」たちは、自分の腕を試すことができます。
クラウドワークスまたはランサーズで定期的に仕事を獲得できるようになれば、その実績を武器にして、直接クライアント企業にアプローチすればいいのです。

ギャランティが安くても、クラウドワークスまたはランサーズ経由でお金をもらうことができれば、立派なプロフェッショナルです。それが独立開業の第一歩になるでしょう。

まとめ~自分の才能を気軽に試すことができる時代

クリエイターへの道をあきらめる必要はありません。なぜなら作品を発表する場は、ほぼ無数に用意されているからです。その気軽さゆえにライバルも急増していますが、「なんちゃってクリエイター」を軽く追い越せないようでは、独立開業は難しいでしょう。

またようやく独立開業にこぎつけても、継続的に仕事を獲得していくのはさらに難しいでしょう。
しかし現在も過去も恐らくこれからも、クリエイターを志望する人が本物のプロになるには、下積み生活から始めるよりないでしょう。

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