覚えておいて損はなし!独立開業で受けられる支援

覚えておいて損なし。独立開業で受けられる支援

会社を辞めて独立開業した直後は、高揚感を持つはずです。
「小さいながらも一国一城の主(あるじ)だ。自分のビジネスモデルで勝負してやる」
そのように考える人もいらっしゃるでしょう。

しかし「独立開業」は「独りで立つ」と書きますが、どのようなビジネスも1人で突き進むことはできません。
ビジネスは必ず、誰かに助けてもらう必要があります。

そこで今回は、独立開業「した人」と「する人」が受けられる支援について紹介します。
こうした支援をうまく使うことで、
・時間を節約し
・コストをかけず
・不安を減らし
・生産性を高め
・早くビジネスを安定飛行にのせる
ことができます。

支援を活用するとそれだけ本業に注げるパワーが増えるので、ライバルたちに打ち勝つことができます。

日本政策金融公庫を使う

最初に紹介するのは、お金の支援です。
日本政策金融公庫の融資制度「新規開業資金」は、新規に独立開業する人や、独立開業してから7年以内の人を対象にした支援です。
同公庫はいわゆる政府系金融です。

運転資金と設備資金を最高7,200万円まで貸してくれる

新規開業資金では運転資金または設備資金として、7,200万円まで借りることができます。
返済期間は、運転資金は2年据え置きの7年以内、設備資金は2年据え置きの20年以内です。据え置きとは、その間は返済をしなくてよい、ということです。
金利は、担保がない場合で年利1.16~2.15%、担保があると0.3~1.85%になります。

この融資制度を使える人は、次のいずれかに該当する人です。
A:会社に6年以上勤めていて、いまと同じ仕事で独立開業する人
B:大学などで習ったことに関連した職種に2年以上勤めて、それと同じ仕事で独立開業する人
C:技術やサービスに工夫を加えて多様なニーズに対応できる事業を始める人
D:雇用創出を伴う事業を始める人
E:産業協力強化法に規定されている認定特定創業支援事業を受けて事業を始める人
F:地域創業促進支援事業による支援を受けて事業を始める人
G:日本政策金融公庫が参加する総合支援ネットワークの支援を受けて事業を始める人
H:民間金融機関と日本政策金融公庫による協調融資を受けて事業を始める人
I:A~Hに該当し、事業開始後約7年以内の人

これだけ条件が広く設けてあると、独立開業した人の多くが使えそうです。
融資額が大きいので、大きな勝負に打って出ることもできます。

地元の中小企業家同友会を使う

日本中小企業家同友会は、中小企業の経営をよくするための団体です。地方支部が全国47都道府県にあり、会員企業は45,000社にのぼります。
同友会は中小企業の意見を吸い上げて政府に対策を講じるよう要請する団体でもあります。

地方の同友会にとって、新たに独立開業をした人たちは「仲間」なわけです。そのため同友会は、さまざまな角度から新人経営者を支援しています。

例えば宮城県中小企業家同友会は「同友会大学」という企画を行っています。
これは科学的、体系的に経済情勢や経営手法を学ぶ場です。カリキュラムは次のとおりです。
・情勢認識と経営戦略
・人間と教育
・社会問題と地域づくり

独立開業したてのころは、地域経済のなかで商売することになるでしょう。同友会のこうした企画に参加することで経営スキルが身につくだけでなく、地域の人脈も広がります。

市区町村役場を使う

市区町村役場も独立開業「する人」と「した人」を積極的に支援しています。独立開業した人が大きなビジネスを展開すれば自治体の税収が増えるからです。

例えば神奈川県の秦野市役所は、創業支援事業計画という事業を展開し、秦野市内で事業を行う人を支援しています。具体的な支援内容は以下のとおりです。

会社設立時の登録免許税の軽減

株式会社を設立するとき資本金の0.7%を登録免許税として納めなければなりませんが、これを0.35%にします。
この優遇措置を受けられるのは、創業してから5年未満の個人事業主が秦野市内で株式会社などを設立するときです。

無担保、第三者保証人なしの創業関連保証の拡充

創業関連保証とは、地域の信用保証協会という組織が行っている制度で、創業を希望する人が創業資金を金融機関から借り入れるときに、保証してくれます。つまり信用保証協会が銀行に対し「この人への融資についてはうち(信用保証協会)が保証しますので、安心してお金を貸してあげてください」というわけです。

秦野市の「無担保、第三者保証人なしの創業関連保証の拡充」策は、無担保かつ保証人なしで保証できる制度を拡充しました。通常は創業2カ月前からこの創業関連保証を受けることができるのですが、それを創業6カ月前から利用可能にしたのです。早い段階で資金を獲得できるので開業準備がスムーズに進むでしょう。
対象は、創業前の人または創業後5年未満の人です。

創業支援融資の創業特例

創業支援融資の創業特例は、融資の利子を安くする制度です。通常年利2.0%のところ、この制度を使えば1.6%にまで減ります。利子の差額分を秦野市役所が補助する形になります。
対象はやはり、創業前の人または創業後5年未満の人です。

地元商工会議所を使う

独立開業して間もない人は、地元の商工会議所も積極的に使いましょう。
商工会議所も同友会と似ていて、中小企業の経営を支援します。また、商工会議所は個人事業主のサポートも行っています。
ここでは名古屋商工会議所のビジネスサポートを紹介します。

業種別の部会

業種別の部会はサークルのような存在です。商工会議所全体で活動するときは、他業種異業種の利益向上をまんべんなく図っていかなければなりませんが、それだと「自分の業種の利益」が薄まってしまいます。
そこで、業種別でグループをつくって勉強会や講演会、視察などを実施しようというのです。

名古屋商工会議所の業種別部会には、次のような業種があります。
・卸売・小売・食料・機器と素材流通・貿易・繊維・金属・機械器具・化学と窯業・木材・紙と印刷・エネルギー・自動車・建設・情報通信・交通運輸・港湾・観光とサービス・金融と証券・不動産・建設設備

この部会に所属すれば、名古屋市内の業界情報が簡単に手に入るでしょう。また名古屋の自動車部会であれば、世界の情報が入ってくるはずです。

ビジネス交流会

名古屋商工会議所では年3回ほどビジネス交流会を開催しています。
ビジネスパートナーを探したり、異業種交流を進めたりしたいときなどに重宝する企画です。
名古屋商工会議所の会員なら1回2,000円の会費で参加できる気軽さもあります。さらに1,000円をプラスすると、ビジネス交流会の場で自分のビジネスについてプレゼンする機会を得ることができます。

交流会といっても単なる名刺交換にとどまらず、毎回異なるテーマを設け、そのテーマに沿ったビジネスを検討します。
これまでのテーマは次のとおりです。
・女性目線の商品
・時代のニーズに応える食
・医療と介護と健康ビジネス
・中小企業を支えるIT

民間企業の創業支援サービスを使う

これまで紹介した独立開業支援は公的機関によるものでした。
さらに独立開業支援をビジネスにしている企業もあります。

例えば千葉県船橋市の山田食品株式会社という会社は、ラーメン店の開業支援をしています。国内のラーメン店業界は超激戦市場で、毎年4,000店が新規開業し4,000店が閉店している状況です。しかも閉店したラーメン店の4割が創業1年未満です。ラーメン店はスタートが重要になります。
山田食品はオリジナル麺やオリジナルスープを、新規開業者に提供します。さらにメニューづくりや機材の調達も手伝ってくれます。

またUCCブランドでおなじみのユーシーシーフーヅ株式会社は、カフェの開業支援事業を行っています。コーヒー豆の購入はもちろんのこと、物件探しや機器や設備の調達も手伝ってくれます。さらに店づくり、メニューづくり、仕入れ、スタッフの雇用についても相談にのってくれます。

これらはほんの一例で、さまざまな業種でいろいろな企業が開業支援を行っています。
ただ民間企業による支援は、必ずどこかで手数料などの費用が発生したり、商品を購入する必要があったりします。
そのため民間企業の開業支援を受けるときは「支援を受ける代わりにこちらがしなければならないこと」を必ず確認しておきましょう。

まとめ~精神的支援が嬉しい

外部の支援を受けると、支援そのものによってビジネスが補強されるだけでなく、支援を通じたビジネスの輪が広がります。
独立開業したては「なんでも自分でやらなければならない」と気負ってしまいますが、支援をしてくれる人たちは「もっとリラックスして商売しましょう」と助言してくれるでしょう。
経営者は常に孤独です。数ある支援のなかでも、精神的な支援が最も重要かもしれません。

関連記事