独立開業に必要な資金。どれぐらいためればいいの?

その業種で独立開業するには最低「〇円」かかります

独立開業するには先立つものが必要です。それはお金です。
どのような仕事を始めるにも、必ずお金が必要です。

しかし、会社に入って仕事を始める場合は、ほとんどお金を使いませんよね。それは、ボールペンやコピー複合機や机や事務所の光熱水費や電話料金などの、労働者が働くために必要なもののお金は、すべて会社が支払っているからです。

ところが独立開業では、仕事を始めるためのお金は、すべて自分で用意しなければなりません。これを開業資金といいます。

開業資金の金額は業種によってまったく異なります。
そこで今回は金額別に、
・20万円で独立開業できる業種
・100万円あれば独立開業できる業種
・500万円は用意しておきたい業種
の3パターンをみてみましょう。

開業資金は多ければ多いほうがいいのだが

本題に入る前に、開業資金についての考えてみましょう。
開業資金は多ければ多いほどよい、これが大原則です。理想は、必要な設備や物品をすべて用意して、なおかつ半年間無収入でも食べていける金額です。
これだけのお金が用意できれば営業も市場調査もじっくり取り組むことができます。

しかし独立開業はタイミングが重要です。商機があってモチベーションが高まっているのに、開業資金が少し足りないくらいで踏みとどまるのはもったいない話です。ビジネスチャンスはすぐに消えてしまいますし、それがなくなるとモチベーションも急にしぼんでしまいます。

よって、「少しお金が足りないかも」と感じても一歩を踏み出すことが大切です。
しかし「全然お金が足りない」状態では、独立開業は確実に失敗します。

そこで今回は、「この業種で独立開業する人が〇円くらい用意できたら、とりあえず出発しましょう」という、ギリギリの金額を提示します。
つまり以下で紹介する金額は「これだけ用意できれば安心して船出できる額」ではありませんので、その点は注意してください。

20万円で独立開業できる業種

20万円で独立開業できるのは、事務所も設備も要らない業種です。事務所を設けず自宅で作業できるなら、自宅以外の家賃がかかりません。設備が要らなければ高額な経費は不要です。

最低金額で独立開業できるのは、インターネット系の仕事です。
インターネット系のフリーランスは、コピー複合機も営業車も不要です。コピー複合機や営業車が必要な業種は、それだけでリース代がかさみます。それが要らないネット系ビジネスは「かなり独立開業しやすい」業種といえます。

Webコンテンツ

Webコンテンツとは、インターネットで展開しているすべてのサービスのことです。Webコンテンツはバーチャルなものなので、設備投資がほとんど要りません。例えば、本物の電気自動車をつくるには億円規模の投資でも足りませんが、ネット上のバーチャルな自動車であればパソコンだけでつくることができます。

もちろん、例えばグーグルの地図や楽天の出店システムやLINEのようなSNSを構築しようとすれば、やはり億円規模では足りない投資が必要です。

しかし個人がWebコンテンツで独立開業する場合、最初の仕事は企業の下請け、孫請け、ひ孫請けになることが多いので、仮に大きなプロジェクトに関わったとしても任さられる仕事は全体のほんの一部です。
大きな投資をしなくても作業できる仕事のはずです。

また、「面白動画づくり」や「渋谷と六本木のカフェ情報」や「おすすめ推理小説の紹介」といったWebコンテンツをつくる場合も、それほど制作費はかかりません。

ただWebコンテンツづくりで独立開業する場合、インターネット環境やパソコン、専用ソフトウェアなどが必要になります。これらは「十万円」単位の出費が必要になります。
また制作会社と打ち合わせをするときは、それなりの服装をしなければならないので、衣服費も必要です。制作会社までの交通費も自腹です。
それで開業資金に20万円ぐらいは用意しておいたほうがいいのです。

IT系フリーランス

プログラマーやシステムエンジニアがフリーランスになって独立開業する場合は、さらにお金がかかりません。なぜならIT系フリーランスは、どこかの企業に出向いて作業をするからです。
仕事に必要なものはクライアントがすべて用意してくれます。仮眠室やシャワーまで貸してくれるクライアント企業もあります。その代わり寝泊まりしてでも期日までにシステムを完成させなければならいこともありますが。

100万円あれば独立開業できる業種

事務所や店舗を必要とする業種で独立開業する場合、最低でも100万円は必要でしょう。

横丁タイプの居酒屋

通常の30席ぐらいあるような居酒屋を開く場合は100万円では足りませんが、横丁タイプの居酒屋であれば、100万円で開業できるでしょう。
横丁タイプの居酒屋とは、10席あるかないかの狭小店舗が10店ぐらい連なった形態の飲食店の集合体です。

10席では大きな収益は期待できませんが、「自分1人で飲食店を回す」訓練を積むことができます。横丁タイプの居酒屋でお客さんを集める力がついたら、通常のテナント店舗にステップアップするのです。

横丁タイプの居酒屋を運営するオーナーも、店主たちの「育成」目的でこのビジネスを行っているので、あまり高額な家賃は取りません。またこのタイプは居抜きも多いので、独立開業する人は調理用具を買いそろえる必要もありません。

しかし保証金などを支払う必要があるので、100万円は必要です。

英会話教室

もし英語圏の外国人と一緒に独立開業するなら、英会話教室を開業するのもいいでしょう。外国人のビジネスパートナーに講師をしてもらい、日本人が営業や教室運営をすればいいのです。
最も簡易な英会話教室は、教室兼事務所と机と椅子とコピー複合機とパソコンがあればなんとかなります。備品類はすべてリースにすれば、開業資金の100万円の大半をPR費用に費やすことができます。

学習塾も100万円くらいで独立開業できます。

500万円は用意しておきたい業種

事務所や備品だけでなく、土地や設備や装備が必要な業種になると、できれば500万円ぐらいは用意しておきたいものです。
なぜなら「お店」の外観がみすぼらしいと、それだけで消費者に敬遠されてしまうからです。

中古車販売

中古車販売は「当たると大きい」ビジネスのため、独立開業を目指す人に人気の業種です。
小ぢんまりと中古車販売を営んでいる人ですと、お客さんから「こういう中古車がほしい」と注文が入ってから車探しを始めますが、ただこれでは少し寂しいので、やはり店舗と土地を借りて実物の中古車を何台か並べたいものです。

そうなると店舗の家賃、土地の家賃、展示車の買付資金が必要になります。駐車場を並べる土地は、アスファルトを敷いたほうがいいでしょう。店舗の内装は凝る必要はありませんが、しかしパイプ椅子や長テーブルは避けたいところです。ニトリの応接セットなど、家具店で内装品を買いそろえましょう。
そうなるとやはり500万円は必要です。

美容サロン

美容師が自分の美容サロンを開業するとき、なるべくお金をかけたくないなら居抜きがよいでしょう。大きな設備を買う必要がありません。
ただ、内装は凝りましょう。壁のクロスの張替えはもちろんのこと、照明器具も趣味のよいものを買いそろえたほうがいいでしょう。

居抜きで美容サロンを開く場合、前の店舗のイメージを消し去る必要があります。なぜなら居抜き物件は「理由はなんであれ閉店している」からです。その事実は新しいサロンのマイナス要因です。そこで内装を一新して、お客さんに「まったく変わった」と感じてもらわなければならないのです。

また、美容サロンを開業するとき、店名のロゴや看板は、きちんとしたデザイナーときちんとした看板屋に発注したほうがいいでしょう。この部分の投資を渋ると、独立開業スタートダッシュに失敗しかねません。
イメージづくりにはお金を惜しまないようにしましょう。

美容サロンは300万円ほどでもなんとか開業できますが、独立を急がなければならない特別な事情がなければ、なんとかあと200万円工面しましょう。

まとめ~全額現金が理想だが、これもタイミング次第

独立開業は、無借金経営が理想です。借金や融資を受けたりすると、毎月の返済に気を取られてビジネスに集中できないからです。また、せっかくビジネスが軌道に乗り始めたところで返済を迫られたら、最悪、破綻してしまいます。

ただこれも、タイミング次第というところがあります。また、借金してビジネスをすることは必ずしも間違った方法ではありません。

「いま独立したい」という気持ちが高まったときに、偶然借金の目途がつくこともあります。ただ、そのタイミングで勝負に出る場合でも、必ず返済計画だけはしっかり立てておくようにしてください。

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