独立開業と資格。こんな資格があったら有利!

難易度は低いけど独立開業に有利な資格はコレだ

独立開業したい人が誰かに「独立開業したいけど、どうしたらいいだろうか」と相談すると、決まって「資格があると有利だよ」と言われます。
しかし「そんなこと」は当たり前のことで、例えば医師免許や弁護士資格があれば、独立開業して事業を軌道にのせることは、簡単ではないにしろ、そのほかの職種に比べたら格段に有利です。

「独立開業したいけど、どうしたらいいだろうか」と悩んでいる人は、「そんなこと」を聞いているわけではないのです。
難易度が低く、何年も受験勉強をする必要がなく、かといって「なんちゃって資格」ではない、独立開業後のビジネスにしっかり役に立つ資格を知りたいのです。
そのような都合のよい資格があります。

資格とビジネスの関係

とっておきの資格を紹介する前に、資格とビジネスの関係についてみていきましょう。
医師免許と弁護士資格が「資格のチャンピオン」と言われるのは、次の2つの要素があるからです。
・独占業務の幅が広い
・業務のギャランティが破格
独占業務とは「その資格を持っていないとその業務を行ってはならない」業務のことです。無資格者がその業務を行うと、刑罰が科せられます。
例えば、医師並みの知識と技術を持つ無資格者が、患者のお腹を切って胃がんを取り除いたとしたら、仮にその患者が健康を取り戻したとしても傷害罪などの容疑で逮捕されるでしょう。

つまり、独占業務に関するサービスを求める人や企業は、その資格を持っている人に発注しなければならないので、その資格の保有者は「確実に儲ける」ことができるのです。

なぜ医師免許と弁護士資格は「資格のチャンピオン」なのか

医師や弁護士のギャランティはとても高いという特長があります。
例えば胃がんの手術の売上高は1回150万円くらいします。2週間に1回胃がんの手術をするだけで年間売上高は3,900万円になります。
弁護士も、刑事事件の被告人を1人弁護するだけで50万~80万円ぐらいの収入になります。月1人のペースで弁護をしていれば年収1,000万円になります。

しかしこの2トップ以外の資格になると、独占業務が確保されていても、ギャランティが急降下します。
そのため、多くの人が医師や弁護士になりたがります。そこで国は、医師免許や弁護士資格を取得する条件を厳格化して「極めて取得しにくい資格」にしているというわけです。

低難易度の資格でも工夫次第でビジネスになる

つまり、取得の難易度が高い資格は独立開業してすぐにビジネスを軌道にのせやすく、一方、簡単に取得できる資格は資格取得者が多いのでビジネスのライバルが増え、独立開業しにくいのです。

というわけで「普通は」難易度が低い資格を使って独立開業することはおすすめできません。
しかしビジネスモデルを「工夫すれば」難易度が低い資格でも、十分に独立開業ビジネスを強化できるのです。
その工夫方法をみていきましょう。

ファイナンシャルプランナー

●資格名:ファイナンシャルプランナー(FP)3級、2級、1級など(民間資格)
●認定団体:日本FP協会
●難易度:受験勉強の時間の目安はFP2級で200時間。1日2時間毎日勉強して3~4カ月程度

この資格で何ができるのか

FPは顧客に金融商品をアドバイスする仕事です。かつて人々の金融商品の買い方といえば、大半のお金を貯金に回し、余裕が出てきたら株や国債を買い、老後や死亡に備えて生命保険に入っておく、というシンプルなものでした。
しかし金融自由化によって金融商品が爆発的に増え、複雑化・高度化しました。投資をしようにも、まずは勉強から始めなければなりません。

そこでFPという仕事が生まれました。FPは顧客のライフプランに合わせたファイナンシャルプランをつくります。
顧客の経済状況に合った資産形成をアドバイスしたり、人生の金銭リスクに適した貯蓄・投資計画の相談に乗ったりします。

FP資格は2級なら3~4カ月ほどの集中した勉強で取得でき、比較的取得しやすい資格といえるでしょう。

ただFPは民間資格であり、独占業務もありません。つまり法律上は「あってもなくても変わらない」資格です。また銀行や証券会社や生命保険会社でもファイナンシャルプランづくりは行っています。
そのためFP資格だけで独立開業の世界で勝負するのは無謀で、工夫が必要です。

そこでひと工夫

FPは金融のプロの証なので、とても使い勝手がよい資格です。
例えば生命保険の代理店で独立開業した人がFPを持っていれば、生命保険商品を買ってくれた顧客にファイナンシャルプランをつくってあげるサービスを提供できます。

生命保険の営業ではどうしても「万が一の備えとして1本入っていたほうがいいですよ」といった紋切り型になってしまいます。しかしFPを持っていると、顧客の全生涯における生命保険の位置づけを説明できます。つまり「根拠のある営業」ができるようになるのです。

また、コンサルティング業で独立開業した人がFP資格を持っていると、本業を差別化することができます。
例えばクライアント企業の社員向けに金融講座を開くといったサービスを提供できます。そのようにしてクライアント企業に食い込めば、コンサルティング業務だけでなく、新人研修や管理職研修の仕事を獲得できるかもしれません。

このように、どのような分野で独立開業していても、FPがあると収入アップの道や多角化の道を開拓できます。
しかもFP資格を持っていると「ビジネスの達人」という先入観を持ってもらえるので、本業がスムーズに運びます。

中小企業診断士

●資格名:中小企業診断士(国家資格、経済産業大臣が登録する)
●認定団体:中小企業診断協会
●難易度:勉強時間は1,000時間程度。毎日1日2時間勉強して1年半から2年ぐらい。

この資格で何ができるのか

中小企業診断士は、中小企業の経営状況を分析し社長に助言する仕事をします。
中小企業やベンチャー企業は、本業ビジネスのエキスパートをたくさん雇用するのですが、そうした人材だけでは会社運営は滞ってしまいます。また会社が大きくなると、大規模投資も検討しなければなりません。
そのようなときに、中小企業診断士が経営の羅針盤になるのです。

中小企業診断士は、企業の成長戦略や経営計画をつくり、経営環境を整え、ときに行政や銀行とのパイプ役になります。
つまり中小企業診断士は、クライアント企業の「社外ビジネスパートナー」のような存在なのです。

ただ、中小企業への経営助言は税理士も行っています。「資格の格」では確実に税理士のほうが中小企業診断士より「上」ですので、中小企業診断士資格だけで勝負するのは難しいでしょう。
なのでやはり工夫しましょう。

そこでひと工夫

中小企業診断士がFP資格を持っていたらどうでしょうか。FPは金融商品や金融市場について詳しいので、FP資格を持った中小企業診断士は、「金融知識を駆使した経営アドバイスができる専門家」とみなされます。

というのも、中小企業の社長のなかには「中小企業診断士は当たり前のことを言うだけ。結局は外野から口を出しているにすぎない」という偏見を持っている人もいます。
そのような社長は「根拠のある情報」「普段の取引では入手できない情報」を求めています。そこで中小企業診断士がFP資格を取得して、「金融のプロ」の目で経営分析すれば、きっと多くの社長に評価されるでしょう。

一般的な中小企業診断士の場合、中小企業に食い込むことはできても、一度コンサルティングしたら契約が終わってしまうことがあります。そうなってしまうと、また新たに顧客企業を探さなければなりません。

そうではなく、一度経営アドバイスした企業には、さまざまなソリューションを提供することで、ビジネスパートナーの地位を確保しましょう。
中小企業診断士で独立開業したら、「焼き畑農法」ではなく「水田農法」型のビジネスモデルを構築しましょう。

宅地宅建取引主任者

●資格名:宅地宅建取引主任者(国家資格)
●認定団体:不動産適正取引推進機構
●難易度:勉強時間は100時間ほどで、難易度は高くない

この資格で何ができるのか

宅地宅建取引主任者は、不動産の売買契約を締結するまでの一連の仕事を行います。
具体的には次のとおりです。
・土地の状況の調査
・権利関係の調査
・売買内容や賃借内容などの重要事項を説明する

主に不動産業者の社員がこの資格の取得を目指します。「宅建」資格は、不動産のプロを名乗るためには欠かせない資格といえます。

ただ宅地宅建取引主任者の資格だけで独立開業することは難しいでしょう。むしろ不動産事業で実力をつけた人が独立開業するときに、宅建資格があったほうが望ましい、という位置づけです。
「宅建資格を持っているからプロ」というより、「プロなら宅建資格を持って当たり前」というイメージです。

しかし宅建も、これまで見た2つの資格同様に、工夫次第で独立開業に役立てることができます。
勘がいい方なら、宅建資格を使った独立開業の方法についてもう気がついたのではないでしょうか。

そこでひと工夫

宅建資格、FP資格、中小企業診断士の3つの資格を獲得すれば、ほとんどすべてのビジネスアドバイス系の仕事を請け負うことができるでしょう。
いわば、ビジネス総合アドバイザーといった仕事を始めることができます。

なにしろ3つの資格を持っているということは、土地、建物、金融商品、個人向けソリューション、中小企業向けソリューションに精通していることになります。
中小企業は本業以外に、「経営分析」「社長の個人資産運用」「社員向け研修事業」「本社移転事業」「企業買収(M&A)事業」といった課題や仕事を抱えています。3資格ホルダーは、そのすべてに関わることができます。

1社でこれだけの仕事を確保できるので、10社と顧問契約を結ぶことができたら、すぐに独立開業後の経営は順調に進むはずです。

「チャンピオン資格」でなくても、難易度の低い資格をいくつかつなぎ合わせて相乗効果を生むことができれば、かなり大きなビジネスを展開できるというわけです。

まとめ~資格は隠し持った武器

犯人に追い詰められた刑事が、最後の最後で足首に隠しておいた小型ナイフで応戦して逆転する――といったシーンはドラマや映画でおなじみです。
難易度が低い資格は、その小型ナイフのような存在といえるでしょう。小型ナイフだけでビジネスという戦場に立ち向かうのは得策ではありませんが、小型ナイフを忍ばせておけば、落ち込んでしまった業績をV字回復させるきっかけになるかもしれません。

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