フランチャイズ(FC)チェーンとは?

フランチャイズの仕組みは業界によってかなり違う

「フランチャイズで独立開業しよう」と考えている人は、加盟するフランチャイズを選ぶときに職種を重視すると思います。料理が得意な人は料理系のフランチャイズを選ぶでしょうし、自動車が好きな人は自動車修理のフランチャイズを選ぶでしょう。

ただフランチャイズを選定するときは、仕組みにも注意してください。フランチャイズの仕組みは企業や業界ごとにまったく異なるため、思わぬ落とし穴が待っています。商売が軌道にのってから、「こんなことならフランチャイズに頼るのではなく、自力で独立開業していればよかった」と思うことがないように、フランチャイズの研究はしっかり行ってください。

コンビニのフランチャイズの特徴

フランチャイズといえば、コンビニです。コンビニ業界は日本のフランチャイズ業界の基本となっているので、他業種に興味がある人も、コンビニの仕組みを知っておいたほうがいいでしょう。

コンビニのフランチャイズの加盟店になる魅力は、他業界を圧倒する販売力です。自分自身を振り返ってみても、ショッピングモールや百貨店や専門店には行かなくなっても、コンビニにはつい寄ってしまうのではないでしょうか。高齢者や地方の買い物難民を救うのもコンビニといわれています。
コンビニは現在の最強の小売業態であり、将来性もあります。世の中に必要とされている商売は軌道にのせやすい特徴があるので、商売経験がないまま独立開業を目指す人には向いているかもしれません。

出店までにいくらかかる?

加盟店オーナーがコンビニを1店出店するのに、いくらの費用がかかるでしょうか。コンビニ最大手のセブンイレブンの場合、土地と建物を本部(株式会社セブン-イレブン・ジャパン)が用意する場合は250万円(税抜、以下同じ)を本部に支払う必要があります。
250万円の内訳は、研修費50万円、開業準備手数料50万円、自己資本150万円です。

本部への支払いはこれですべてですが、セブンイレブンは加盟店希望者に「あと150万円を引っ越し代と生活費の予備として用意しておいたほうがよい」とアドバイスしています。
つまり、土地と建物がなくても、400万円あればセブンイレブンのオーナーになれるわけです。

ロイヤリティはいくら支払わなければならないのか?

フランチャイズの加盟店になろうとしている人は、ロイヤリティに細心の注意を払わなければなりません。ただコンビニ各社はロイヤリティのパーセンテージを公表していません。しかし新聞などの報道によると、大手コンビニのロイヤリティは、粗利益の40~70%とされています。

例えば、100円のおにぎりを70円で仕入れたら、粗利益は30円です。30円の40~70%は12~21円ですので、この金額を本部に支払わなければなりません。ということは、おにぎりを1個売って加盟店オーナーが手にするお金(利益)は9~18円です。つまり加盟店オーナーがおにぎりを売って1万円の利益を得るには、500~1,000個売らなければならないのです。

ロイヤリティの幅が40~70%とかなり広くなっていますが、これは本部への貢献度や、本部の頼り方によって異なります。例えば、コンビニの加盟店を何十年も続け、店舗を複数店運営している加盟店は本部への貢献度が高いので、ロイヤリティが低くなります。一方、これから加盟店になろうとしている人で、土地と建物の手配を本部に依頼する場合、ロイヤリティは跳ね上がります。

出店までにかかる期間

まったくの初めての人がコンビニを1店開業させるまでにかかる期間は、最短3カ月、長くても7カ月ほどです。出店までの流れを、セブンイレブンの例で紹介します。

<説明会>
セブンイレブンの加盟店になるには説明会に出席する必要があります。ここがスタート地点になります。

<事前相談>
説明会でわからなかったことは、個別の事前相談で解消することができます。

<1次面談>
説明会に参加すると、1次面接に進むことができます。このとき初めて、本部の開業担当者と会うことになります。

<店舗見学とオーナーとの面談と体験入店>
1次面接に通過すると実際の店舗を見学したり、先輩オーナーに質問できたり、体験入店したりすることができます。加盟店希望者は、この段階で「やるかやめるか」決めることになるでしょう。

<2次面談>
2次面接では、本部の開発責任者が加盟店希望者に意思確認をします。ここで本部側と加盟店希望者の双方が開業の「仮合意」をすると、開業準備が一気に進みます。ただこの段階では契約は結ばないので「仮」となるわけです。

<現地確認>
加盟店希望者は本部の担当者と開店予定地を見に行きます。

<現地責任者との面談>
開店する土地に問題がなければ、加盟店希望者に現地責任者が紹介されます。現地責任者から本部からのバックアップの内容などより具体的な話を聞きながら、開店準備を進めていきます。

<最終面談から契約締結>
現地責任者との話し合いがスムーズに進んだ段階で、加盟店希望者は本部の責任者と最終面談を行います。本部の責任者は加盟店希望者に、契約書の内容について細かく説明します。加盟店希望者がそれに承諾すれば、契約書を締結することになります。本部は店舗の建設に着手します。

<研修とカウンセリング>
加盟店オーナーは、本部で研修を受けたあと、セブンイレブンが直営する店舗で店を取り仕切るトレーニングを積みます。その後、加盟店オーナーは、店舗経営相談員から経営アドバイスを受けます。この間、店舗建設は着々と進んでいます。

<開業>
加盟店オーナーへのトレーニングが終了し店舗が完成すると、加盟店オーナーは本部から店舗のカギが渡され開業します。

ハンバーガー店のフランチャイズの特徴

ハンバーガーはすでに国民食になっています。そして日本人はこれからも長くハンバーガーを食べ続けるでしょう。ハンバーガー店のフランチャイズに加盟する魅力は、国民食を提供する安定性といえるでしょう。またハンバーガーはアメリカ文化の象徴なので「格好よさ」があります。独立開業すると原則、現役を引退するまでその仕事にかかりっきりになるので、儲けるだけでなく楽しく仕事ができることも重要になります。

出店までにいくらかかる?

ハンバーガー店の出店にかかる費用については、日本フランチャイズチェーン協会が公表していますので、その内容を要約します。

<マクドナルド>
マクドナルドの加盟金は250万円です。このお金を支払うことでフランチャイズ権を取得できます。フランチャイズ権とは、マクドナルドの看板を掲げて商売する権利のことです。マクドナルドの店舗を1店つくるのに、店舗内外装費や設備、機器、土地建物の取得などに大体1億円ほどかかります。加盟店オーナーはこのうち25%、2,500万円を開業資金として用意し、支払わなければなりません。残りの75%、7,500万円はマクドナルドの取引銀行などから融資を受け、返済していくことになります。

<モスバーガー>
モスバーガーの加盟金等は269万円です。内訳は加盟金200万円、保証金40万円、ベーシック研修13万円、開業指導16万円となっています。加盟金とは、ノウハウや商標、店舗づくりの企画、営業指導などを「買う」ためのお金になります。モスバーガーの開業資金は3,480万円となっています。

ロイヤリティはいくら支払わなければならないのか?

日本フランチャイズチェーン協会はマクドナルドとモスバーガーのロイヤリティについても公開しています。

<マクドナルドのロイヤリティ>
マクドナルドのロイヤリティは「8.1%+アルファ」となっています。その内訳は次のとおりです。
・一般的なロイヤリティ:売上高の3%
・広告宣伝費:売上高の4.5%
・インフラサービスフィー:売上高の0.6%
・レントロイヤリティ:不明(+アルファ)
レントロイヤリティが不明なので、加盟店がマクドナルド本部に総額いくら支払わなければならないのかは不明です。ただ、総額25%程度だろうとみる経済アナリストもいます。

<モスバーガーのロイヤリティ>
モスバーガーのロイヤリティは2%となっています。内訳は次のとおりです。
・一般的なロイヤリティ:売上高の1%
・広告宣伝費:売上高の1%
モスバーガーのロイヤリティはマクドナルドよりもかなり低い設定ですが、ここで紹介した数字はいずれも日本フランチャイズチェーン協会が公表しているもので「実際の価格」ではない点に注意してください。あくまで目安として押さえておいてください。

出店までにかかる期間

出店までの流れを、マクドナルドを例に取ってみてみましょう。

<説明会>
説明会に出席することがフランチャイズ加盟のスタートであることはコンビニと同じです。

<個別相談と3日間の店舗体験>
説明会で興味を持った人は個別相談を受けることができます。資金の相談や開業時期、開業場所など、かなり込み入ったことを聞くことができます。加盟店希望者はさらに、実際の店舗に入ってハンバーガーづくりと販売を体験することができます。マクドナルドはこの実店舗体験を3日間も用意しています。先輩オーナーにビジネスプランや経営方法などを尋ねることもできます。

<役員面接>
3日間の実店舗体験が終わり、加盟する決意を固めた人は、マクドナルド本部の役員と面談することになります。ここで両者の条件が折り合えば研修に進みます。

<ハンバーガー大学への入校>
マクドナルドでは加盟店オーナーの研修制度のことをハンバーガー大学と呼んでいます。
ここで学ぶことは、売上、利益管理、スタッフ採用、スタッフの労務管理、発注の仕方、在庫管理、マーケティング、経営全般、ハンバーガーづくりなどです。研修は3ステップあり、6日、5日、5日の計16日間となります。

<契約と開業>
開業時期と開業場所が決まったら、開業の3カ月前に契約を締結します。

買取専門店のフランチャイズの特徴

中古市場が活況を呈しています。その中で、買い取りだけを専門に行うフランチャイズ店が現れました。販売はせず、ただ中古品を買い集めえるだけです。買取専門店のフランチャイズの魅力はほとんど準備が要らないことです。店舗が狭くても運営できますし、商品の陳列や調理や加工といった手間もかかりません。そのため副業で始める人も少なくありません。
商品の目利きさえできれば「なんとかなる」ところがポイントです。

出店までにいくらかかる?

買取専門店のフランチャイズ加盟店を募集しているA社の場合、初期費用50万円で開業できます。ただ、店舗を借りる経費は別途必要になります。この50万円のなかに、加盟金、研修費、古物商許可証申請料、什器などの備品の料金が含まれています。

ロイヤリティはいくら支払わなければならないのか?

このA社のロイヤリティは月額定額で31,500円です。定額なので、利益を上げれば上げただけ加盟店オーナーの手取りが増えていくわけです。

出店までにかかる期間

A社では加盟店契約を締結して1カ月ほどで開店できるとしています。

買取専門店のフランチャイズの注意点

買取専門店のフランチャイズ店は開業準備に手間がかからないのが魅力ですが、買い取った商品を確実に買い取ってもらえるのかどうか、事前にしっかり確認することをおすすめします。
買取専門店のフランチャイズ本部の多くは「弊社と取り引きのある買取業者が確実に買い取るので安心です」とうたっています。つまりフランチャイズ本部が買い取ってくれるわけではないということです。
もし加盟店オーナーが買い取った商品を買い取ってもらわなければ自分で売らなければなりません。その場合、ショーケースなどの展示スペースが必要になるのですが、買取専門店用の店舗では狭すぎて商品を陳列できない可能性があります。その場合の選択肢は、店舗を拡張するか撤退するかしかありません。

まとめ~ノウハウをどれくらい吸収できるかがカギ

ほとんどのフランチャイズ本部には成功体験が蓄積されています。しかし百発百中ではありません。そのため、フランチャイズ本部からどれだけ成功ノウハウを引き出せるかが、フランチャイズ独立開業の成否のカギを握ります。

フランチャイズに加盟するためには仕事を辞めて準備に取りかからなければならず、その間無収入となるので、数カ月で開業できることは魅力的です。そのため多くのフランチャイズ本部は「未経験歓迎」といいます。しかし準備不足のまま開業し、「営業しながら店舗運営と経営を覚えていく」方法はリスキーです。フランチャイズの説明会に行く前に、実際の店舗を見学したり書籍やネットなどでフランチャイズ経営についての知識を仕入れておいたほうがいいでしょう。

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