フランチャイズのロイヤリティって正直どれぐらい?

2018.05.25

フランチャイズで独立開業する人はロイヤリティに敏感になろう

「フランチャイズに加盟して独立開業する」と決断した人に質問します。

ロイヤリティについて、他業種も含めて詳しく調べましたでしょうか?

もし、自分が加盟する予定のフランチャイズ本部(企業)のロイヤリティしか調べていなかったら、今一度、同業他社のロイヤリティや、他業種のロイヤリティを調べたほうがいいでしょう。

なぜなら、間違ってロイヤリティ条件が不利なフランチャイズに加盟してしまうと、休みなく働いて繁盛店をつくりあげても、手取り収入が思っていたほど増えない事態に陥るからです。
これではフランチャイズ本部のために仕事をしているようなもので、独立開業の意味が薄れてしまいます。

また、他業種のロイヤリティがとても有利に感じた場合、業種を変更してでもそのフランチャイズに加盟したほうがいい場合もあります。

一度加盟したフランチャイズを抜けて別のフランチャイズに加盟し直すと、金銭的にも精神的にも大きな損失になるので、できれば長年続けられるフランチャイズに加盟したいものです。
そのためには「ロイヤリティ調査」は欠かせません。

ロイヤリティとは

ロイヤリティについて簡単に解説します。
ロイヤリティ制度とはフランチャイズに加盟するオーナーが、フランチャイズのブランドやビジネスモデル、商材などを使わせてもらう代わりに、その手数料をフランチャイズ本部(企業)に支払う仕組みです。

例えばある人がラーメン店を開業した場合、知名度がまったくないので当初は客が入りません。
しかし全国的に「おいしい」と評判のラーメン店の看板を掲げれば、オープン初日から行列ができるでしょう。

また、個人のラーメン店の場合、途中で業績が悪化したら自分の力で立て直さなければなりません。
一方、フランチャイズに加盟していれば本部の社員がテコ入れを手伝ってくれるので、短期間でV字回復できるでしょう。

このようにフランチャイズ本部は加盟店オーナーにビジネスをいちから教えてくれます。その代わりにロイヤリティというお金を支払わなければならないのです。

ロイヤリティの金額の算出方法

ロイヤリティの金額の算出方法は、主に次の3種類があります。
・売上歩合方式
・定額方式
・粗利分配方式
1つずつみていきましょう。

売上歩合方式

売上歩合方式は、多くのフランチャイズが採用しているロイヤリティの金額の計算方法です。計算式は次のとおりです。
・ロイヤリティ=売上高×●%

●%の数字はフランチャイズ本部によって異なりますが、大体3~30%ほどで、かなり幅があります。
この計算式からわかることは、加盟店が商品やサービスを売れば売るほど本部に渡るロイヤリティの金額が増えるということです。

また、売上高とは客が加盟店に支払った金額のことで、計算式は次のようになります。
・客が支払った金額=売上高=原価+利益

これは厳密な計算式ではなく、わかりやすいように細かい項目は省略しています。
原価とは、商品の仕入れ値や光熱水費や事務所費などです。
利益とは、ざっくりいうと、加盟店オーナーの手元に残るお金です。

上の2つの計算式を合体させると、次のようになります。
・ロイヤリティ=売上高×●%=(原価+利益)×●%=原価×●%+利益×●%
原価にも利益にも●%がかかっているということは、利益の一部だけでなく、原価の一部もロイヤリティとして本部に支払わなければならないということです。

利益は「入ってきたお金」なので、その一部を本部に支払うのは仕方がないとしても、原価は「出て行ったお金、支払ったお金」なのに、その一部も本部に支払わなければならないのです。
「売上歩合方式はかなり本部に持っていかれてしまう計算式」と覚えておきましょう。

定額方式

定額方式は「月6万円」や「月20万円」などと、フランチャイズ本部に支払う金額が決まっている方式です。
つまり売上を上げれば上げるほど、加盟店オーナーの取り分は大きくなりますが、売上が小さくなるとロイヤリティが重くのしかかってきます。

粗利分配方式

粗利分配方式はコンビニチェーンが採用している計算方式で、計算式は次のとおりです。
・ロイヤリティ=利益×●%

利益は、次の計算式で算出します。
・利益=売上高-原価

この2つの式を合わせるとこうなります。
・ロイヤリティ=(売上高-原価)×●%=売上高×●%-原価×●%

つまり粗利分配方式は、「客がたくさん入って売上高が大きくなるとロイヤリティの金額も大きくなるものの、原価がかさんだ分は少しだけロイヤリティを減らしましょう」という考え方なのです。
要するに、儲けた分(利益)だけを本部と加盟店オーナーで分けましょう、ということです。

このように解説すると、売上歩合方式は加盟店オーナーに厳しく、粗利分配方式は加盟店オーナーに優しい制度のように聞こえますが、そうではありません。
粗利分配方式の●%は、30~70%とかなりの高率なのです。

売上歩合方式は大体3~30%でしたので、やはり粗利分配方式も「本部に相当もっていかれる」という印象です。

業種別ロイヤリティ

それでは業種別のロイヤリティの金額をみていきましょう。
コンビニは紹介済みですので、ここでは紹介しません。
ここで紹介する業種は、売上歩合方式(ロイヤリティ=売上高×●%)です。

飲食業は低いところが多く、3%というロイヤリティもあります。高くても10%ほどです。これは、飲食業は人件費や食材費にかかる割合が大きいからと考えられています。「●%」の数字を小さくして加盟店オーナーの負担を減らさないといけないわけです。

「●%」が高いのは学習塾で、10~30%ほどです。学習塾は原価がほとんどありません。人件費も大学生のアルバイトだけでも運営できるので抑えることができます。それでフランチャイズ本部も多めにロイヤリティを取るのでしょう。

ロイヤリティ以外に考えるべき「出費」

加盟店オーナーへのサービスが手厚いフランチャイズ本部はロイヤリティを高く設定し、加盟店オーナーへの支援が小さいフランチャイズ本部はロイヤリティを低く設定している傾向があります。

加盟店オーナーにとっては、ロイヤリティは「安いほどよい」のは当たり前です。ただ、初めて独立開業する人は、ロイヤリティが高くてもフランチャイズ本部の支援が手厚い場合、そちらを選択するのも間違っていないかもしれません。
特に「経営に自信がない」と自覚している方は、なおさらお手厚い支援を提供してくれるフランチャイズを選びましょう。

例えば、フランチャイズ本部によっては、土地も店舗も本部が用意してくれることがあります。そこまでしてもらったら、「ロイヤリティが高くなるのは当たり前」となります。

しかしそうなると、また違った疑問がわいてきます。
それは、「すべて本部にお任せで、利益の多くもロイヤリティで吸い取られてしまったら、果たして独立開業する意味があるのか」という疑問です。

つまり、あまりにローリスク・ローリターンの傾向が強くなると、仕事をしていても会社員のような感覚になってしまいます。
ロイヤリティについて検討するときは、このような観点も加えたほうがいいでしょう。

まとめ~しっかり交渉しよう

ロイヤリティの設定は、100%フランチャイズ本部次第です。ということは、交渉次第で本部側の譲歩を引き出せる可能性があるということです。
もちろん本部に「おんぶにだっこ状態」でロイヤリティ交渉をすることはできません。しかし、もし他の加盟店オーナーより多くのリスクを取れるようなら、ロイヤリティについてしっかり本部と話し合ったほうがいいでしょう。例えば、加盟店オーナーが2店舗目や3店舗目を展開するときなどは、交渉の好機です。

ロイヤリティの金額は絶対的なものではありません。例えばセブンイレブンも2017年にロイヤリティを1%減額しています。
参考:セブンイレブン、加盟店の経営指導料を1%減額(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ06HJE_W7A400C1000000/

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