独立開業のよくある質問その5 開業届などの開業関連の書類、自分でやるのと代理店に依頼するの、どちらがお得?

2018.07.21

いざ独立開業をしようと考えても、手続きが煩雑で難しそうと敬遠している人も多いかと思います。

結論から言いますと、これは個人として開業するのか、法人として開業するのかによって異なります。ですので、今回のテーマである開業手続きを自分でするのか誰かに任せるのかという問題は、個人開業するのか法人開業するのかで、お得かどうかは変わってくるというのが正解です。

では、開業手続きは誰が代行してくれるのか、自分で開業手続きをする場合のメリット・デメリット、代行してもらう場合のメリット・デメリットを詳しく説明していきます。

個人開業に必要なものと開業へのステップ

個人事業主として開業することは、実は意外と簡単です。基本的に必要な書類は「開業・廃業等届出書」しかありません。

会社員を退職した流れでフリーランス等の個人事業主になった人の中にはこの届出書を提出していない人も多くいますが、この書類を提出していなければ、公式には開業したと認めてはもらえません。

この開業・廃業届出書は、税務署の窓口やインターネット上でダウンロードして入手可能です。書類の記入項目は以下のようなものになります。

  • 納税地
  • 氏名、生年月日
  • 個人番号(マイナンバー)
  • 職業、屋号
  • 開業日
  • 事業所等を新設や移転した場合の住所
  • 事業の概要

開業・廃業届出書は実際に開業してから一ヶ月以内に、事業を運営している所在地を管轄している税務署に提出する必要があります。管轄がどこなのか分からない場合、国税庁のホームページに、管轄税務署の所在地と管轄区域が記載されていますので確認しましょう。

書類提出の際には、提出用と自分の控え用の2枚が必要になってくるので、書類の記入が終わったら必ずコピーを取っておくようにしましょう。

管轄の税務署に届出書を提出して承認ももらうまで早ければ数分で済んでしまいます。書類等の不備があった場合でも、何時間もかかるものではありません。

ですので、このように簡単にできる手続きを、お金を払ってまで代行してもらうことはとてもお得とは言い難く、自分でやった方がお得であると言わざるを得ないでしょう。

法人として開業するために必要な書類と開業へのステップ

一方で、会社を設立する際の手続きは個人開業よりも煩雑で少し面倒ではあります。必要な書類の数も段違いですので、もし自分ひとりで行う場合には、全体の流れを把握しつつ、時間がかかる覚悟で丁寧に対応していけば大丈夫です。

現在、会社設立するには株式会社という形態になります。株式会社とは、会社が経営のために必要とする資金を、第三者から提供してもらい、それに対して会社側は「株式」を発行し、利益が出た場合にはその一部を資金提供してくれた「株主」に還元する企業形態です。

会社設立のために必要なものは、以下の様な書類になります。

登記申請書(定款、払込証明書)

会社名や会社の所在地、資本金の額など、所謂「定款」と呼ばれる会社の目的や組織の基本的な事項を定めた規則を作成し、公証役場に持っていき、定款認証を行ってもらいます。

その後、出資金の払込を行い、払込証明書を作成した上でやるのが登記申請です。登記申請書の書式などは法務局のホームページに記載されています。

登録免許税納付用台紙

上の登記申請を行う際には、登録免許税を納めることになります。そのときに使用するのが収入印紙です。この収入印紙を貼るための台紙が登録免許税納付用台紙であり、作成後は登記申請書に添付します。

OCR用申請用紙またはCD-Rなどの磁気ディスク

手書きや印刷された文字を読み取り、データと照合した上で文字を判断し、その文書を電子化する装置がOCRです。

以前はこのOCRを法務局で入手し、これに必要事項を記載して登記申請書に添付していました。しかし、現在ではこのOCR配布を取りやめている地方法務局も多く、その場合オンライ登記申請が推奨されています。

また、OCRやオンライン申請以外にも、CD-Rなどの磁気ディスクを利用して登記事項を提出することも認められています。

就任承諾書

会社設立当時に役員に就任した人の実印が必要です。取締役一人で会社設立をする場合には不要となります。

役員の印鑑証明(発行から3ヶ月以内のもの)

上の就任承諾書と同じで、会社設立当時の役員の印鑑証明が必要です。申請等に捺印された印鑑が本人のものであるかどうかの事実を確かめることや本人が必要書類の作成者であるか否かを確認するためには必須の書類です。

市役所や区役所等の、自分が実印を申請した役所で入手可能です。

印鑑届出書

会社としての実印を作成するための書類です。

これ以外にも必要となってくる書類があります。この一つ一つの申請書などを入手し作成するには、時間もお金もかかります。

会社を設立して開業するには重要な手続きであることは間違いありませんが、これだけに時間を費やすというわけにもいかない場合も多いのではないでしょうか。そこで、選択肢としてあげられるのが「手続き代行」を頼むということです。

会社設立の手続き代行は誰に頼めばいいのか

法人として開業する、所謂「会社設立」の手続きが、個人開業よりも煩雑なことはお分かりいただけたかと思います。では、この会社設立の手続き代行を頼もうと考えた場合、誰に頼めばいいかご存知でしょうか。

実は、「会社設立代行」と呼ばれる行政書士が設立の代行を務めてくれる会社が存在します。その他にも、税理士や司法書士などが個人事務所として代行業務を行っている場合もあります。

代行業務は、設立の手続き以外にも定款を定める際にアドバイスをくれたり、必要書類に関する説明や作成代行などをしてくれたりと、会社設立を初めてする人や一人で設立する人には非常に心強いものです。

当然、メリットだけでなくデメリットもありますので、自分の状況に照らし合わせながら、代行を利用するのかどうかを決めてください。

税理士に委託するメリット・デメリット

税務関係の相談もでき、会社設立当初から節税の観点から物事を決定できます。設立後も会計処理等を依頼することができ安心です。また、税理士には提携している司法書士や社労士などがいる為、設立後スムーズな会社運営が可能です。

デメリットとしては、税理士顧問契約が必須になっていることが多く、相性が合わないと税理士や事務所を選んでしまっても、設立後も会計を任せなくてはなりません。また、自社で会計処理を済ませようと考えている場合には、余計な費用になってしまいます。

司法書士に委託するメリット・デメリット

手続き等がスムーズに行え、費用が比較的安いケースが多いです。会計業務はセットになっていない場合もありますので、税理士や会計事務所は自社が自由に探すことができます。

一方で、設立の際に手数料を取られるケースもあり、税務についての詳しい知識などは持っていない場合が多いことを覚えておかなければなりません。また、設立時だけの依頼となるので、設立後もサポートしてもらえる税理士に比べて割高となります。

まとめ~開業届などの開業関連の書類、自分でやるのと代理店に依頼するの、どちらがお得?

開業届等の書類作成や開業手続き、自分でするのか代行に委託するのか、どちらがお得なのかは、「個人開業は自分で、法人開業は代行に任せたほうがお金と時間の節約になる場合がある」というのが結論となります。

代行になりますと、当然ながら費用がかかりますので、時間があり全部自分でやってみたいという人にはぜひ代行を利用せず一から自分で調べながら進めることをおすすめします。しかし、時間と気持ちに余裕がないという人は、出費が痛いかも知れませんがその後のことを考えると代行を利用することをおすすめします。

開業はスタートですので、気持ちの良いスタートを切るためにどちらが良いのかこの記事を参考にしながら考えてみてください。

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