独立開業のよくある質問その3 独立開業するベストな年齢っていつ?

2018.07.18

独立開業に憧れながらも、自分の歳を考えて諦めてしまっている人は案外多いものです。しかし、独立開業に年齢制限はあるのでしょうか。

確かに、会社員を辞め、独立するということは精神的にも体力的にも非常にプレッシャーのかかる決断ではあります。では、若い内の開業が一番良いのかと言えば、そうとも言い切れないのではないでしょうか。

今回は、独立開業するのにベストな年齢はあるのか、あるとすれば、それはいつなのかを紹介していきます。開業したいけど年齢が…と悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

起業する人の平均年齢

日本で起業する人の平均年齢が、実は段々と上がっているのをご存知でしょうか。

1979年には60歳以上で起業する男性が8.4%であったのに対し、2012年には35%にまで上昇しています。女性で見ると、4.6%から20.3%に上昇。この原因を、2017年版の「中小企業白書」では、少子高齢化に伴う国民全体の平均年齢の上昇化にあるとしています。

また、2012年に60歳以上で起業する人が、男性が35%であるのに対し女性は20.3%と低くなっているのは、男性の場合はサラリーマンと定年退職後、「セカンドキャリア」と呼ばれる第二の職業として起業というスタイルを選択する人が多いためだとしています。

年齢別の開業リスク

独立開業にベストな年齢を知る前に、年齢別の開業リスクを考えていきたいと思います。

冒頭にも書きましたが、年齢を理由に開業を迷っている人は「自分の年齢で独立するのは早すぎる」もしくは「遅すぎる」のどちらかで悩んでいると考えられます。では、本当に年齢と開業に間に関係性はあるのでしょうか。

結論としては、「ある」と言わざるを得ません。ここでは、開業における年齢別リスクを具体的に説明します。

10代で開業

生まれた時からインターネットやパソコン・スマートフォンに慣れ親しんできた現代の10代。最近では高校生で起業している子たちも少なからずいます。

10代と言えば、まだ未成年の方も多いはずです。会社を設立すること自体には、年齢制限はありませんので未成年でも開業可能と言えますが、そこで問題となってくるのが「親の同意」が必要になるケースです。

例えば、会社設立時に会社の銀行口座を開設する必要があります。未成年は個人口座であろうと口座開設には親が同伴して銀行に出向く必要があります。また、事務所などの店舗物件を借りる場合、未成年では賃貸借契約を結ぶことは不可能ですので、これも親の同意が必要です。

つまり、未成年が自分一人の意思で思い立って起業するということは不可能に近く、親の賛成と協力が必要不可欠となります。

また、未成年で起業することに懐疑的な世間の目があるのも否定できません。10代と言えばまだ学校に通っている可能性が高く、社会経験が少ないイメージを持たれがちです。人生経験や知識が足りないと思われて信用を得ることが難しく、契約ができないケースも多々考えられます。

20代で開業

20代と言えば、大学を卒業して初めて会社で働く新社会人も多く、まだまだ経験不足のリスクが否めません。取引先の企業には絶対的に歳上の方が多く、後ろ盾のない20代を信頼することは難しいと考えていたほうが良さそうです。

もし、20代で起業するならば、経験値不足はきちんと自覚し、それをカバーできるくらいの自社の強みをアピールできるようになっておくことが必須です。

また、20代で起業するリスクには「資金不足」も考えられます。社会人経験を積み、起業するために貯蓄をきちんとしているのであれば安心ですが、一般的に20代は年収が高い方ではないので、実家暮らしか一人暮らしかも多少影響を与えますが、それなりにまとまった貯蓄をするのは難しいと推測されます。

そうなると、金融機関などからの融資で資金調達を考える必要があります。自己資金が少ないほど必要な融資額は大きくなり、当然「借金」ですので返済しなければなりません。資金問題も、20代で起業するリスクに挙げられるのではないでしょうか。

30代で開業

ある程度の社会人経験を積み、貯蓄もできてきた人も多いこの30代で起業する人が日本では一番多いのが現状です。

但し、男女で比較すると、30代で起業する女性の割合は、男性より少なく、結婚や出産・育児などのライフイベントにより、女性の方が起業し辛い状況にあることが原因ではないかと推測されます。

30代で開業するリスクとしては、結婚して子供がいる場合、まだお子さんが小さい場合が多いということではないでしょうか。小さいお子さんは誰かがずっとそばで見守っている必要があります。共働きの場合には、どのように役割分担をするかを上手く決められるかどうかで起業リスクは大きく変わってくると言えるでしょう。

40代で開業

会社であれば役職につき始める年代ではないでしょうか。経験と言う面では充分ですし、開業するための資金面から見てもある程度の貯蓄ができている人も多く、開業するにはベストな年代に見えます。

この40代で開業するリスクは、家族が賛成してくれるかどうかが大きくなります。20代や30代に比べて、子供が大きいと推測され、そうなると高校受験や大学受験を控えたお子さんを持つ人も増えてくるということ。大学は特に学費などの費用が高校までよりもかかりますので、それまでの貯蓄を開業の為に使うことに家族の同意が得られるかが“肝”となるのではないでしょうか。

50代で開業

50代と言えば、経験・資金共に40代よりも良い条件が揃っているかに見えますが、実はこの年齢層特有の大きな問題が潜んでいます。それが「親の介護問題」です。これは自分の親だけでなく、結婚している人ならば相手の親の介護も出てきます。

どこかの施設に預ける場合には費用が発生しますし、親が他人からの介護を嫌がるケースもありますので、その場合は自分で介護することになります。

親御さんの体調や介護度にもよりますが、時間や費用、体力、そして精神力がかなり必要になってくることは間違いありません。このような状態で開業できるのかという問題が起こります。

また、開業したい本人に問題がある場合も。

長年、一つの会社だけで勤め上げてきた人は経験に固執する場合も多く、臨機応変な対応が求められる経営者の立場になると失敗してしまう可能性もあります。ゼロからのスタートであり、自分は経営者としては初心者なのだという謙虚な気持ちを忘れないことが重要ではないでしょうか。

60代以上で開業

先述したように最近では60代で開業する人も少なくありません。しかし、リスクがあるとすれば「本人の体力」であると推測されます。

開業には時間も労力も必須です。仕事を退職し時間に余裕はあるかもしれませんが、体力があるかどうかはそれまでの生活習慣や本人の資質にもよります。持病を持っている人もいますので、体調面では慎重すぎるほどに様子を見ながら、また日々の生活に気を付けながら開業の準備を進めていくことが大事になります。

まとめ~独立開業するベストな年齢っていつ?

いかがでしたでしょうか。独立開業にベストな年齢が明確にあるわけではないというのがお分かりいただけたかと思います。

そもそも、独立開業にリスクはつきものですので、どの年代で開業してもリスクはあります。ただ、そのリスクを引き受ける覚悟と環境がいつ揃うのかが重要なのではないでしょうか。

覚悟だけ決まっていても、環境を整えなければ開業しても長く続けることができず、逆に環境が整っていても覚悟がなければ苦境に立たされたときに立ち向かっていけません。覚悟と環境、ぜひこの2つが揃うタイミングを見逃さないようにしてください。

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