フランチャイザーから加盟店への圧力がすごいって本当?

2018.07.11

フランチャイズは独立開業の近道であることは言うまでもありません。フランチャイズ本部(フランチャイザー)から「フランチャイズパッケージ」と呼ばれる、商標権や経営ノウハウの提供を受けることで、独立未経験者でも安心してお店を持つことができます。

しかし、フランチャイズで開業するということは、自分ひとりで独立開業する場合とは大きく違うことがあります。それが、フランチャイザーとの関係です。

フランチャイズ加盟をするということは、フランチャイザーが決定した方針やルールに従わねばならないということです。どうしてもフランチャイズ加盟者(フランチャイジー)はフランチャイザーに対して、立場の上下を感じてしまいます。そして、時にはフランチャイザーからの圧力が負担でフランチャイズをやめてしまう人がいることも事実です。

忘れてはいけないことは、フランチャイザーとフランチャイジーは契約上も法人格上も同等の立場だということ。

今回は、フランチャイザーからの圧力は本当にあるのか、どのような圧力があるのか、また圧力をかけられたらどうすれば良いのかを紹介します。

コンビニチェーンのノルマ問題

フランチャイズといえばコンビニチェーンをすぐに思い浮かべる人も多いはず。大手コンビニチェーンは、かなりの数のフランチャイズ店舗が全国に展開されています。

コンビニのフランチャイズでよく問題に挙がるのがノルマ問題です。コンビニではよく、お中元やお歳暮のギフト、季節商品であるクリスマスケーキやおせち、恵方巻きという「予約商品」が販売されています。ここにフランチャイザーからの圧力がかかっているというのです。

フランチャイザーはノルマという明確な言葉は使用しません。要望や目標と言い換えて、販売目標値を設定してきます。そして、それこそ本部の決めた目標値はフランチャイジーにとってはノルマになるのです。

店舗オーナーの中にはノルマ達成のために、アルバイトにノルマを課したり、自腹を切って購入したりする人も少なくありません。

ノルマの何が問題なのか

会社員として営業の仕事などをしていたり、アパレルの販売員として働いていたりするとフランチャイジーにノルマが課せられるのは当然だと感じる人も少なくないと思います。では、フランチャイザーから課せられるノルマの何が問題なのでしょうか。

フランチャイズ契約は、通常、契約期間が定められています。契約期間満了後、再度更新ができるかどうかはフランチャイザーの意向によるところが大きいのが現状です。

店を続けたい、再更新したいと考えるフランチャイジーの中には、それが例え目標値として提案されたとしても、それに従わなければ契約が更新されないと考える人がいます。つまり、フランチャイザーがいくら要望や目標と言ったとしても、それが心理的な圧力としてフランチャイジーにのしかかってくるということです。

フランチャイザーとフランチャイジーの関係

冒頭にも書きましたが、「フランチャイザーとフランチャイジーは同等の立場である」ということをきちんと認識、理解しておかないとフランチャイザーからの不当な圧力に屈してしまうことになります。

フランチャイザーとフランチャイジーに雇用関係が存在すると誤解している人も多くいますが、これは間違った認識です。フランチャイザーとフランチャイジーの間に雇用関係は存在せず、どちらが強い弱いといった力関係もない対等な立場なのです。フランチャイザーとフランチャイジーは本部と加盟店という、繋がりはあるけれどもあくまでも自立した立場にあります。

フランチャイジーはフランチャイズ加盟したからといって、フランチャイザーから給与を貰えるわけではありません。フランチャイジーはフランチャイザーにロイヤリティを支払いますが、それはフランチャイズパッケージを提供された対価としてです。「フランチャイザーに契約してもらう」といった考え方でなく、「フランチャイザーと契約をする」といった認識を持ちましょう。

フランチャイザーはフランチャイジーがいないと事業として成り立たちません。フランチャイジーがいてこそ、相互作用により利益を生み出すことが可能となるのです。

フランチャイズに関する法律の現状

フランチャイズシステムにおいて、フランチャイジーはあくまでも独立した事業者という立場であることを忘れてはなりません。

現在、日本でのフランチャイズに関する法律は、公正取引委員会が定める独占禁止法の中にある「フランチャイズ・ガイドライン」や、中小小売商業振興法によって規制されています。しかし、未だ有効な法律的にフランチャイザーを守る手段は確立されていないのが現状です。

優越的地位の濫用

先述したフランチャイズ・ガイドラインの中で、今回のテーマである「フランチャイザーからの圧力」に関する規定として挙げられるのが、この「優越的地位の濫用の禁止」です。優越的地位の濫用とは、取引上優越的地位にあるフランチャイザーが、フランチャイジーに対して正常な商売の慣習を逸脱した行為をする場合に該当します。
この優越的地位の濫用に該当する例には以下のようなものがあります。

・取引先の制限
フランチャイザーがフランチャイジーに対して、商品や材料などの仕入先や店舗清掃の依頼先に関して、正当な理由なく、フランチャイザーの指定する事業者に限定して取引させることにより、品質もよく値段も安い商品やサービスを提供する他の事業者との取引ができないようにすること。

・仕入数量の強制
フランチャイザーがフランチャイジーに対して、フランチャイジーの販売する商品や使用する材料に関して、返品ができないにもかかわらず、現実的な販売可能な範囲を越えて仕入数量を指示し、半ば強制的にその数量を仕入れることになってしまうこと。

・見切り販売の制限
これは以前フランチャイズのコンビニチェーンで大きな問題となりました。
フランチャイズ加盟店で廃棄処分される商品の原価相当額が、フランチャイジーの負担となる仕組みになっている場合に、フランチャイザーが正当な理由なく、フランチャイジーに対して弁当やおにぎりなどの賞味期限のある商品などの見切り販売を制限し、売れ残りとして廃棄処分せざるをえなくすること。

上記以外にも、「締約締結後の契約内容の変更」や「契約終了後の競業禁止」なども、優越的地位の濫用に該当する場合があります。

但し、販売方法や営業時間、販売価格などの各種制限は、フランチャイザーがブランドイメージを統一するために必要な場合も多々ありますので、制限を強いられたことがすぐに独禁法上問題となるものではないことも理解しておきましょう。

まとめ ~フランチャイザーからの圧力がすごいって本当?

フランチャイザーからの圧力に関して、圧力とはどのようなものがあるのか、法律的にはどうなのかを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

前述した通り、フランチャイジーは独立した事業者としてフランチャイザーとは対等な立場にありますが、契約や法律的な問題とは別に心理的に上下関係を感じてしまうフランチャイジーも少なくありません。たとえフランチャイザーからの圧力を感じたとしても、それが本当に不当なものなのか分からなかったり、拒否したときに今後どうなるか不安があったりする場合もあると思います。

その為にも、現状の法制度をしっかりと頭に入れておき、自分の身や店は自分でも守る強い気持ちが必要となります。

もし、フランチャイズ加盟後にフランチャイザーに関することで悩んだり負担に感じたりすることがあれば、公正取引委員会の本局や各地方事務所などで相談を受け付けていますので、ぜひ活用してみてください。

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