フランチャイズのよくある質問その5 ロイヤリティの見直しを申し出ることはできる?

2018.07.03

フランチャイズでの独立開業を考えたとき、最初に気になるのが開業資金や月々にかかるロイヤリティなどの資金面ではないでしょうか。
特にフランチャイズは毎月フランチャイザーに支払いをしなくてはいけないため、ロイヤリティはフランチャイズオーナーの利益にも影響します。

開業当初見込んでいたほど利益が出なかった場合、月々のロイヤリティは大きな負担となってしまいます。そうしたときに、フランチャイザーにロイヤリティを見直してもらうことはできるのでしょうか。

今回はフランチャイズシステムや過去の事例からロイヤリティの見直しについて検証してみます。

参考サイト:JFAフランチャイズガイド
http://fc-g.jfa-fc.or.jp/

ロイヤリティが負担になりやすいフランチャイズチェーンとは?

まず最初に、ロイヤリティが負担になりやすいフランチャイズ契約の傾向について探っていきます。

ロイヤリティで重要になるのはその計算方式です。現在採用されているロイヤリティの計算方式は3つあります。

これらの計算方式について、その仕組みとどういった場合に負担になりやすいのかを見ていきましょう。

1.売上歩合方式

売上歩合方式は、加盟店の売上高の一定割合をロイヤリティとする方式です。ロイヤリティの計算方式として最も一般的であり、売上が低ければロイヤリティも低い計算方式です。

この方式のポイントは売上高を元にして算出される点です。
たとえ必要経費がかさんで利益が全く出ていない場合でも、売り上げさえあればフランチャイザーはロイヤリティを取ることができます。

原料の値段や人件費が上がって利益が減った場合でも売り上げに応じて徴収されるため、環境の変化があっても利益が確保できるかをシミュレートしておく必要があるでしょう。

2.粗利分配方式

粗利分配方式は、一言でいえば加盟店の売り上げの総利益の一定割合をロイヤリティとする方式です。主にコンビニエンスストアのフランチャイズチェーンがこの方式を採用しています。

売上歩合方式との違いは、利益からロイヤリティを取ることです。そのため加盟店に利益が出ない場合はフランチャイザーは徴収ができません。

しかし、一部コンビニエンストアを中心にオープンアカウントという制度が存在し、資金がショートした場合は貸し付けがされる場合もあります。その貸付と利息が増えていくことで負担が増えていく場合もあるので注意が必要です。

3.定額方式

3つの計算方式の中で最も分かりやすいのが定額方式です。定額方式はその名の通り、利益や売上などに関係なく、決まった額を徴収する方式です。

開業当初の売上が少ない時期は大きな負担になりやすいのですが、売上が大きくなるにつれてその負担は軽減されます。

このように、どの方式でもメリットとデメリットがあります。

これらの方式を組み合わせて独自のロイヤリティ制度を設けているフランチャイザーもありますし、ロイヤリティの割合によっても負担感は変わります。
ロイヤリティをきちんと理解することは経営戦略を立てる上で非常に重要なので、きちんと把握しておくようにしましょう。

ロイヤリティの見直しが原則としてできない3つの理由

結論から言うと、フランチャイザーにロイヤリティの見直しをしてもらうのは基本的に難しいでしょう。

それには、以下に解説する3つの理由があります。

理由1:すでに契約書に同意しているから

最初に挙げられる理由は、フランチャイズ契約をした時点でそのロイヤリティに同意していると見なされるということです。

ロイヤリティの説明を受けるチャンスはフランチャイズ契約前とフランチャイズ契約締結時の最低2回があります。

まず1回目は、フランチャイザーからの法定開示書面の提供です。
フランチャイザーは契約前のフランチャイズオーナーに、フランチャイザーの情報が書かれた法定開示書面を交付する義務があります。

ロイヤリティに関しては、中小小売商業振興法の施行規則「加盟者から定期的に徴収する金銭に関する事項」を明記するよう規定が設けられています。
従ってフランチャイザーは基本的にはロイヤリティ-の説明をしてくれます。
ただしこの規則が適用されるのは小売業や飲食業のフランチャイズチェーンで、サービス業では適用されないので注意が必要です。

2回目は契約締結時です。
契約締結時には、フランチャイザーとフランチャイズオーナーの両者で契約内容の確認を行います。これは、トラブルが起こった際に争点となりやすいのがフランチャイザーの説明責任が果たされていたかどうかという点だからです。

このように、一般的な手順を踏んでいればフランチャイズオーナーはロイヤリティの説明をきちんと聞いており、その上で契約書に同意しています。
十分な説明責任が果たされておらず、契約書に書かれていない徴収がされている場合でなければ見直しは難しいでしょう。

理由2:ロイヤリティはフランチャイザーが利益を得る部分だから

ロイヤリティは、フランチャイズオーナーがフランチャイザーのノウハウやシステムを利用するための手数料のようなものです。ロイヤリティの仕組みにもよりますが、フランチャイザーによってはロイヤリティで利益を得ているところも多く、ロイヤリティの減少は利益の低減に直結するため避けたいところです。

フランチャイズオーナーとしても、ロイヤリティが下がれば一時的には楽になるでしょう。
しかし、それによりフランチャイザーの利益が減れば新規開発や営業に注力できなくなって競合他社に後れを取るなど、結果としてフランチャイズオーナーが不利益を被る可能性もあります。

フランチャイズはフランチャイザーの経営状態が良くないと全ての加盟店に影響が出るため、フランチャイザーの収入源であるロイヤリティの見直しは難しいでしょう。

理由3:特別扱いは他の加盟店とのトラブルを招きやすいから

利益が出ていないから、自店だけ特別にロイヤリティを見直してほしいと思うこともあるでしょう。しかし、そういった例外を作ってしまった場合、それは他店とのトラブルになりやすいのです。

例えば、経営状態の良くないA店とB店があったとして、A店はロイヤリティの見直し、B店はそのまま中途解約に進んだとしましょう。
その状態でB店がA店への対応を知った場合、B店は「自店はフランチャイザーからの十分なサポートを受けられなかった」として訴訟沙汰になる可能性があります。

こうした不平等は他店の不満を買いやすく、フランチャイザーにもその加盟店にもマイナスのイメージを与えてしまいます。そういった意味でも、フランチャイザーにロイヤリティの見直しを行ってもらうのは難しいでしょう。

このように、ロイヤリティの見直しは契約書の同意があること、ロイヤリティがフランチャイザーの収入源であること、他店への不平等になることから難易度が高いと言えるでしょう。
絶対にムリというわけではありませんが、その際にはフランチャイズ契約に詳しい弁護士を通すなど、時間とコストのかかる手段を取る必要があります。

フランチャイズ業界を震撼させたセブンイレブンのロイヤリティ見直し

では、フランチャイザーがロイヤリティを見直すことは絶対にないのでしょうか。

実は2017年4月に、コンビニエンスストア大手であるセブンイレブンがロイヤリティの1%減額を発表しています。
減額開始は同年9月からで、期間は当面の間とされていますが、現在もこのロイヤリティは維持されています。

減額の目的の1つに将来の加盟を促すことが挙げられており、あくまで経営戦略の1つとしてロイヤリティの減額がなされたことが分かります。

この時まで、コンビニエンスストア業界にとってロイヤリティとは収入源の中核であり、一種の聖域であると言われていました。
セブンイレブンは経営体制が変わったことにより改革ともいえるロイヤリティ見直しが行われたとされており、長く続いてきたコンビニエンスストアのビジネスモデルの転換点とも言われています。

ロイヤリティで利益を得ているフランチャイズチェーンにとって、ロイヤリティの見直しはビジネスモデルに影響するような重大な問題であることが分かるでしょう。

まとめ

フランチャイズチェーンにとって、ロイヤリティはビジネスモデルの中核をなす重要な収入源であり、その見直しは全体の経営に関わる重大な問題です。
従って、一部加盟店の利益が上がらないからと言って、ロイヤリティの見直しが簡単に行われることはないでしょう。

フランチャイズで独立開業を考える際は、ロイヤリティの方式を十分に理解し、売上予測から最適なロイヤリティの方式を採用しているフランチャイザーを選ぶようにしましょう。

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