フランチャイズで失敗してしまったときは

2018.06.23

フランチャイズで独立開業した場合、個人で創業した場合と比べて成功率が高いと言われています。中小企業白書によると、個人事業で創業した場合は約40%が1年未満に廃業し、5年間事業を継続できるのは約25%です。それに比べて、フランチャイズの5年間の継続率は一般的に約60~70%と言われています。

しかしながら、フランチャイズはあくまで事業ですので、失敗の可能性がないわけではありません。今回はフランチャイズで失敗してしまったときに何をするべきかについて解説していきます。

参考資料:JFAフランチャイズガイド(http://fc-g.jfa-fc.or.jp/

まずは失敗の原因を突き止めよう

フランチャイズの独立開業で失敗してしまった場合、まずするべきことはなぜ失敗したかを追求することです。失敗の原因を把握することで、今後の成功のための手がかりとすることができるのです。ここでは、一般的にフランチャイズで失敗する主な原因3つについて解説します。

考えられる原因1:資金不足

フランチャイズで失敗してしまう原因の1つに、資金不足があります。これは独立開業してから比較的早期に起こりやすい問題です。

資金不足の理由としては、開業資金が予定よりかかってしまったり、ランニングコストの見積もりが甘く利益が思ったより出なかったということが挙げられます。ギリギリの資金で事業を始めてしまった方が陥りやすいケースです。

「初月から利益が上げられる」などというフランチャイザーの言葉は鵜呑みにせず、自身でどれだけの利益が出るか、それまでの資金はどうするかを冷静に判断することが必要になります。もしすでに資金不足に陥ってしまった場合は、金融機関から融資してもらうなど、運転資金を得るための手段を考えなければならないでしょう。

フランチャイザーはサポートはしてくれますが、あくまで経営者はあなたです。資金不足からくる失敗は経営者が収支バランスや経理について理解していない場合が多いので、事前にしっかりと学習しておく必要があるでしょう。

考えられる原因2:外的要因

フランチャイズで失敗してしまう原因として、外的要因が影響している可能性があります。独立開業後順調に利益を出せていた場合でも、周りの環境の変化により経営不振に陥るケースはよく見られます。

周りの環境の変化とは、競合店の出店や自社ブランドの近隣への出店や、市場自体が変化することです。

競合店の出店や自社ブランドの近隣への出店は、コンビニエンスストアのフランチャイズでよく見られます。都市部では、すでにあるコンビニエンスストアの真横や、道路をはさんだ向かい側に違うチェーンのコンビニエンスストアがあるのは当たり前の光景となっています。それだけでなく、近くに同じブランドの大型店が出店することさえあり、その競争は更に苛烈なものとなっているのです。

こういった場合、いかにその地域の顧客をリピーターとして確保できているかがカギとなります。フランチャイズチェーンでは個々の加盟店が個性を出すのは難しいですが、勝ち残っていくための施策は必要となるでしょう。

市場自体の変化としては、インターネットが普及して顧客が店頭で物を買わなくなったり、技術革新で販売している物自体の需要が減少することが挙げられます。こうした変化は経営が長くなるほど考えられることですので、最初のターゲット設定や需要の見込みが重要となるでしょう。

考えられる原因3:経営者の能力不足

フランチャイズで失敗してしまう原因として、オーナーの能力不足が影響している可能性が考えられます。フランチャイズはフランチャイザーのサポートは受けるものの、あくまで独立した個人経営者です。赤字が出たときなどに適切な判断ができることが必要になります。

フランチャイズオーナーは経営者としての能力はもちろん、従業員を雇う場合は人材の管理能力も必要です。一緒にお店を回していってくれる人材を確保し、適切に仕事を割り振ることは非常に難しいことです。

こうした能力は一朝一夕の努力で身に着けられるものではありませんが、そういった経験がない場合はさまざまなところから学び、実践していく必要があるでしょう。

また、こうした能力が十分にあっても、業種やフランチャイザー選びでつまづいてしまうこともあります。自分に合わない経営形態やサポート体制のフランチャイザーを選んでしまうケースもあるのです。フランチャイズでの失敗は独立開業前の選択が影響していることも多いので、情報と自身の状況を冷静に検討することが必要でしょう。

フランチャイズチェーンから脱退するときの注意点

フランチャイズでの経営が失敗した場合、フランチャイズチェーンからの脱退を考えることもあるでしょう。フランチャイズ契約の終了方法には、中途解約、合意解約、契約解除の3つのパターンがあります。今回は契約途中で任意解約する中途解約の際の注意点についてご説明します。

中途解約とは、フランチャイズ契約の期間中に加盟者が申し入れをすることによって任意に契約を解約することです。中途解約についてはフランチャイズ契約締結時の条項に記載されていることがあります。

この条項はフランチャイザーによってさまざまであり、契約後一定期間が経たないと中途解約ができないもの、書面によって意思表示をしないといけないものなどがあります。

中でもトラブルとなりやすいのが、中途解約金や違約金の規定があるものです。中途解約金や違約金は莫大になることが多々あり、この規定のために経営不振であるにも関わらず解約できず、夫妻が累積してしまう事例もあります。

中途解約金や違約金の規定をめぐって、これまで何度か裁判が行われてきました。判決によると、あまりに莫大な違約金は否定されていますが、この規定自体が否定されているわけではありません。フランチャイズで失敗し、契約を解約したいと考えたとき、ある程度の中途解約金や違約金を支払うことは頭に入れておく必要があるでしょう。

新たに開業する場合の注意点

フランチャイズで失敗してしまい、中途解約などで撤退した場合、新たに事業を始めようとするかもしれません。その際には、注意しておかなければならないことがあります。フランチャイズ契約では、その契約終了後も秘密保持や競業禁止の義務があることです。

秘密保持義務とは、フランチャイザーが持っているノウハウやシステムを一定期間保護するための条項です。この義務は厳密な期間の設定がなく、フランチャイザーが持つノウハウやシステムが他店などでも使われたり、その業界で一般的になるなど、秘密保護の必要がなくなるまでが守秘期間と言われています。

競業禁止義務とは、同じ業種での開業を一定期間禁止し、フランチャイザーのノウハウの流用を防ぐための条項です。この義務に関しては、憲法第22条の営業の自由 (職業選択の自由) との兼ね合いがあるため、現状約2年から3年以内が適切な適用期間と言われています。

これらの義務を守らず、ノウハウを生かしたいからと言って同じ業種ですぐに開業してしまうと、フランチャイザーから注意喚起されたり、最悪の場合には裁判沙汰になったりする可能性もあります。秘密保持と競業禁止の義務に関してはフランチャイズ契約前、解約前にきちんと確認する必要があるでしょう。

まとめ

フランチャイズで失敗してしまった場合、そこには必ず原因があります。失敗したことに落ち込むだけではなく、どうして失敗したのか、改善すべきところはないのかを考えることで次の成功率が格段に上がります。失敗から学びとることが今後のあなたを成功に導くカギとなるでしょう。

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