フランチャイズで赤字が出てしまった場合

2018.06.17
赤字が出てしまった場合

フランチャイズ契約はノウハウやブランドを自分で築く必要がなく、早期に独立開業できる一方で、さまざまな理由から経営不振に陥ってしまい、赤字が出てしまうこともあります。

フランチャイズで赤字が出てしまった場合、取れる選択肢としては改善策を考え経営を続けるか、フランチャイズ契約を解約するかの2択です。今回は、フランチャイズで赤字が出てしまった場合の取るべき行動とそういった場合に備えての事前確認ポイントについて解説します。

赤字が出た要因を考える

赤字が出てしまった場合、まず考えるべきことはなぜ思うような成果が得られなかったかです。フランチャイズオーナー自身が原因を追究することで今後の改善案や打開案が見えやすくなります。フランチャイズ契約の利点はノウハウと経験の豊富なフランチャイズ本部のサポートが受けられることですので、相談してみるのも一つの手でしょう。ここでは、赤字が出てしまった場合に考えられる原因について解説します。

赤字が出てしまった原因を考える際、まず確認するべきことは他の加盟店の売り上げです。他店の売り上げが伸びているのに自分の店舗だけが経営不振なのか、他店も同様に経営不振なのかによって対応が変わります。

自身の店舗だけが経営不振な場合、あなたの店自体になにか問題があり、他店も同様に経営不振な場合はフランチャイズ本部の体制に問題がある可能性が高いです。まずは他店の状況を確認してみる必要があるでしょう。

また、経営不振に陥った時期も重要です。売り上げの推移を見て、開業以来ずっと不振な状態なのか、開業後は問題なかったのにその後不振になったのかで状況が違うからです。

開業後しばらくして経営不振に陥った場合、原因が3つ考えられます。1つ目は、商品やサービスの質が低下した可能性、2つ目は、競合先が商圏内に出現した可能性、3つ目は、顧客が店舗や商品に飽きを感じてリピーターが減った可能性です。あなたの店舗だけが毛経営不振になっているのであれば、これらの可能性について洗い出し、軌道修正を図りましょう。

どちらにしても、フランチャイズ加盟店は独立した1つの店舗です。まずは自身で赤字が出た理由を考え、改善策を試してみることが大切です。その上で必要ならばフランチャイズ本部に頼るのが良いでしょう。

フランチャイズ本部のサポート制度

契約したフランチャイズ本部によっては、もともとの契約に経営不振時のサポートが含まれている場合があります。こうした制度を上手く利用しながら赤字を解消していくことも必要でしょう。ここでは、フランチャイズ本部の経営不振時のサポート制度について紹介します。

オープンアカウント制度

オープンアカウント制度は主にコンビニエンスストアのフランチャイズ契約でなされる制度です。この制度はフランチャイズ加盟店に不利になりやすい制度と言われていますが、フランチャイズ本部からの融資を受けられるという点で解説していきます。

オープンアカウント制度では、フランチャイズ本部が指定する銀行口座に、フランチャイズ加盟店が毎日の売り上げを入金します。そこから仕入れ代金やロイヤリティーを差し引き、余ったお金が加盟店に返却されます。加盟店の収入は、返却されたお金から人件費や営業経費を差し引いたものです。

この制度では、赤字が出た場合は本部から自動的に融資されます。融資は無制限ではなく、フランチャイズチェーンによって一定の制限がありますが、その範囲内であれば補填がなされるということです。

この制度はフランチャイズオーナーに経営者としての知識があまりつかず、いつの間にか赤字がかさんでいたということにもなりかねない欠点を抱えています。赤字が補填されるからといって、業務改善などを行わない場合経営が続けられなくなってしまうでしょう。

最低保証制度

フランチャイズ本部の中には最低保証制度を設けているところもあります。この制度は事前に設定した総収入に達しなかった場合、本部が不足分を保証してくれる制度です。

最低保証制度は主にコンビニエンスストアのフランチャイズに採用されています。保証金額や保証期間はフランチャイズ本部によって異なっていますが、基本的には経営や事業を学ぶ期間の保証と考えておくとよいでしょう。この期間の間に事業を黒字にするための施策を考え、実行していくことになります。

こうした制度を利用することでしばらくは赤字の補填が可能です。しかし、赤字の原因を考え改善する姿勢がない場合、契約を打ち切られる可能性もあります。責任ある経営者として、赤字が出た原因を追究し改善していく必要があるでしょう。

契約を解約する場合

赤字の原因を追究し、改善策を取った場合でも立地などの条件が悪く赤字がかさんでしまうこともあります。そういった場合はできるだけ早く損切りをし、契約を解除することを考えるでしょう。しかしながら、フランチャイズの中途解約はトラブルが起こりやすい場面でもあります。ここでは、フランチャイズの中途解約の注意点についてお伝えします。

違約金規定

フランチャイズの契約期間はフランチャイズ本部によって異なりますが、日本では5年程度が多いようです。この契約期間中にフランチャイズ契約を解約しようとすると、莫大な違反金を取られる可能性があります。この違約金規定があるため、赤字経営であるにもかかわらず解約できず、負債が累積して苦しむことになる方もいるようです。

違約金をめぐって、これまでにも何度か裁判が行われてきました。判決としては、あまりに過大な違約金は否定されていますが、違約金の規定自体が否定されているわけではなく、一定の額の範囲内であれば認められるということです。いざ解約となったとき、違約金を払わなければ解約できない可能性を考えておく必要がありそうです。

秘密保持義務と競業禁止義務

フランチャイズの契約が終了した場合でも、加盟店はフランチャイズ本部に対する秘密保持義務と競業禁止義務があります。加盟契約が終了したからといって、同じ業種で開業するとトラブルになる可能性が高いのです。

秘密保持義務とは、フランチャイズ本部が持つノウハウや営業秘密などを一定期間保護するための条件です。一定期間というのは厳密な規定はなく、フランチャイズ本部が持つノウハウや営業秘密が保護する必要がなくなった時と言えます。

競業禁止義務は、一定期間同じ業種での開業を禁止し、フランチャイズ本部のノウハウなどを保護するための条件です。これに関しては憲法第22条の営業の自由 (職業選択の自由) との兼ね合いがあり、現在は約2年から3年以内の義務化であれば合法と言われています。

これらの義務は加盟契約の条項にも記載されているはずですので、先に確認しておくことが必要でしょう。

トラブルにならないための4つのポイント

赤字が出た場合の対応でトラブルにならないためには、契約前にしっかりと契約内容を確認しておく必要があります。ここでは、先に確認しておくべきポイントを4つお伝えします。これらのポイントで分からないこと、フランチャイズ本部の説明が不十分なところがあれば、納得できるまで質問するようにしましょう。

1つ目は、ロイヤリティーの算出方法です。ロイヤリティーは毎月フランチャイズ本部に支払うものであり、算出方法によっては利益が出にくくなる可能性があるため確認が必要です。

2つ目はオープンアカウントの有無、3つ目はテリトリー権の有無です。これらは主にコンビニエンスストアのフランチャイズに関わるものですが、オープンアカウントがあると自動的に赤字が補填されてしまう可能性があり、テリトリー権がないと商圏内に同じような店舗が立って顧客が減少する可能性があります。

4つ目は契約の中途解約時の違約金規定です。事業にはリスクがつきものであり、撤退する可能性も考えて必ず確認しておきましょう。

また、契約についての説明はできるだけ記録を残しておきましょう。トラブルが起こりそうになったときに客観性のある証拠として利用することができます。

まとめ

フランチャイズ契約はフランチャイズ本部のサポートを受けることはできますが、あくまでフランチャイズ本部とフランチャイズ加盟店は独立した事業体です。絶対に成功するということはなく、事業である以上リスクは存在しています。フランチャイズ契約のメリットとデメリットをきちんと把握し、リスク管理として赤字が出てしまった場合に取るべき対応も頭に入れておく必要があるでしょう。

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